苦労の記録33 ページ33
太宰さんに連れてかれたのは、察しの通り幹部室だった。机には大量の資料と書類で、私は嫌な予感が当たったとウンザリした。
太宰さんは山の様にに積み重なる紙を指差す。
「明日の3時までにやっておいて。会議で使うから。あと君はその会議に出てね。」
「えっ?」
ちょっと待ってください、と止める間もなく太宰さんは説明を続けた。
「1週間後に異能組織との戦闘があるのだけれどね、まぁ大方明日の会議も敵組織の内容と作戦についてだろう。私出ないから君その内容纏めて後日渡して。その戦闘、高橋君も行くからね。」
情報が多すぎて混乱したが、纏めるとどうやら私はこの書類をまとめ、会議にも抗争にも出なければいけないらしい。
「(先に言っとけよ!!なに、嫌がらせ?!)」
こういう大事な日程なら最速で幹部に連絡がいくはずなのに、どうしてこう突然なのか。猫被りが崩れないよう脳内で文句をぶちまけ理性を保っていると、またも太宰さんは私を煽った。
「その敵の異能組織、中々に手練れだよ。軟弱な君がすぐに殺されないといいね。」
「………………。」
この人は私になにか恨みでもあるのだろうかと本気で思った。別にそんなことはないのだが、どうにも太宰の態度は新人に向けるものではない。
中也さんとの事で調子に乗ってたのであろう私は、普段なら絶対言わない様な事を口走った。
「そう易々と殺されませんけど。」
「!」
「(……あ、やばい)」
そう思ったが時すでに遅し、既に帰ろうと私に背を向けていた太宰さんは、ゆっくりと少しだけ体を此方向けた。へえ!と声だけ楽しげに手を叩く。
「言うようになったじゃあないか。蛞蝓に影響でもされたの?」
冷たいというよりかは、あまりにも温度の無い声で、意図せず冷や汗が出る。
「……………。」
何か喋るべきか考えたが、黙り込む。何も言わないであろう私を察したのか、太宰さんは再び私に話しかけるのだが、その内容に私は思わず固まった。
「そうだね、では────。」
「……え、待ってください。」
「明日の会議、頑張ってくれ給え!」
バタン、という無慈悲な音を立て太宰さんは出ていった。静寂な其処に独り残された私は、酷く困惑して先程の太宰さんの言葉を呆然と繰り返した。
───では、敵組織の一人の“志賀優哉”は君に任せるとしよう!
****
これから先の原作で志賀直哉が出てきたら困るので、志賀優哉にしました。詳しくは後述。
1174人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブラコン - かっかッこいいっ兄に思わず抱きつきましたぁ〜。ぶたれたし、抱きつきたくなかったよ〜!けどけど、イラストがッ! (2018年7月21日 22時) (レス) id: e9f72c513a (このIDを非表示/違反報告)
杏 - めっちゃおもしろいですね! 殺せば、勝ちなんだのところ吹きましたwww 渚君www (2018年7月4日 0時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
いんこ - 37ページの下らへんに中也のとこで「だうしな」になってます (2018年1月29日 16時) (レス) id: 4376bf785f (このIDを非表示/違反報告)
信乃(プロフ) - イラストかきました。どぞ→ http://uranai.nosv.org/uploader/common/7/6/8/768eaacc1415e24c7349773e07126187.jpg (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3baa51b5a2 (このIDを非表示/違反報告)
自殺嗜好(プロフ) - めっさお気に入りです!夢主ちゃんのリアルな突っ込みが気に入ってます!これからも頑張ってください! (2018年1月25日 11時) (レス) id: f37f9cdf35 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2017年12月31日 19時