苦労の記録２６ ページ26
今、聞こえたのは誰の声だろうか。
私の声？あれ、心で思ってたはずだよね、と此処迄考えた時にハッとある事にようやく気づく。声に出してしまったという事に。
「(え……私今なんて言った？)」
自分で言った台詞を思い返して、顔が青ざめた。
「─────あ゛？」
困惑する私の耳に、地獄の底から這い出てきたような低い声が聞こえた。言わずもがな中也さんだった。
恐る恐る中也さんを見ると、その表情は、まぁなんともとても、ドス黒い綺麗な笑顔……だったらマシだった。表情が分からない、俯いてて分からない。余計怖い。
「あ、いえ、えと、その。」
なんとか誤魔化そうと蚊が鳴くような声を出すが、無意味だった。そんなの知ったこっちゃねぇという様に
中也さんはコツコツと静かに近付いてくる。
やめろやめろやめろ、此方に来るな！！冷や汗をかく私にゆっくりと足を進める中也さん。
「手前、今、なんつった？」
背筋がピンと伸びる。大変怒っている。私は焦りすぎて思考回路が変な方向に向かっていた。
なによ、そんなにチビって言われたのムカついたわけ？事実じゃん、怒るほどの事でもないでしょう。私より大きいんだからそれでいいよ、なんだよ、そんな怒らないでよ怖いじゃん！！
「(もうなんか、いいや！)」
もういい、消されようが、殴られようが、もうどーでもい！！今迄さんっざん無茶振りさせられ屈辱受けて何も返さない方が余っ程嫌だ！！
と、この時の私は焦りと恐怖と怒りやらで頭がとち狂ってたのか意味の分からない悟りを開いて半ばヤケになっていた。早いところが開き直りである。
「チビっつったんですよ。」
「…………。」
「あっ、聞こえませんでした？ごめんなさい、頭の位置小さいから這い蹲っても声届くと思ったんですけ、どっ、あ、ァ゛ッ！！」
そこまで言った時、私の体はべシャリと地面に叩き付けられた。肺が重くて酸素が回らず、ひゅうひゅうと頼りない吐息が口から零れた。ここまで過呼吸になったことなんて一度もなくて、もう少ししたら死ぬ気もした。
辛うじて見える床には中也さんの靴があり、なにやら赤黒い光を纏っているのが分かった。
「(あの光、アニメで見た……。)」
「随分聞き入れのいい大人しい餓鬼だと思ってたが、
本性はこんなに躾のなってねぇ奴とはなァ。」
ああ、忘れてた、此奴の異能────重力操作だ。
＊＊＊
その頃の太宰さん
「うわ、面倒くさ……高橋君にやらせてあげよう。」
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ブラコン - かっかｯこいいっ兄に思わず抱きつきましたぁ〜。ぶたれたし、抱きつきたくなかったよ〜!けどけど、イラストがｯ! (2018年7月21日 22時) (
レス) id: e9f72c513a (このIDを非表示/違反報告)
杏 - めっちゃおもしろいですね！ 殺せば、勝ちなんだのところ吹きましたwww 渚君www (2018年7月4日 0時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
いんこ - ３７ページの下らへんに中也のとこで「だうしな」になってます (2018年1月29日 16時) (レス) id: 4376bf785f (このIDを非表示/違反報告)
信乃(プロフ) - イラストかきました。どぞ→ http://uranai.nosv.org/uploader/common/7/6/8/768eaacc1415e24c7349773e07126187.jpg (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3baa51b5a2 (このIDを非表示/違反報告)
自殺嗜好(プロフ) - めっさお気に入りです！夢主ちゃんのリアルな突っ込みが気に入ってます！これからも頑張ってください！ (2018年1月25日 11時) (レス) id: f37f9cdf35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メガネ第2号 | 作成日時：2017年12月31日 19時
