trente-cinq 35 ページ36
「な、何ですか..これは！」
私は声を震わせる。
化粧され、ウィッグを被せられ、衣装に着替えさせられたと思えば..！
首元から胸元まで、そして手首の先まで総レース。
腰の高めの位置からふわりと裾まで広がるドレスはスカート部分が二重構造になっていた。
「あら、いいじゃない。ライトブルーにして正解だったわね」
ヴィル様はいい顔をしていた。
ドレスなんて始めて着たんだけど...！
周りの部員も「え、女子がいる..！」「似合ってるぞ！」「これはいい映画になりそうだ」などと言っている。
一応、私は、女です。
「今なら数秒、アタシの隣に立つことを許してあげるわ」
「えっと..それは、褒めていますか..？」
「えぇ、そうね。とても綺麗よ、ルネ」
ヴィル様に綺麗って言われた。
何だろう、お嫁に行くような感じ....
胸がジーンときた。
..さて、本題はここからだ。
今回の映画は、主演はもちろんヴィル様。
様々な役者がいる中、助演として私も出ることになった。
渡された台本のページをめくっていく。
私の役は、えっと..
人の気持ちを考えられる笑顔が絶えない少女。
最後は、愛する人に裏切られ海に身を投げる役..？
え、最後に私は亡くなるの？
疑問が浮かぶ。
そして、
映画研究会の予定は..
本日、宣伝ポスターの写真撮影。
翌日から撮影開始！
この時点でおかしい。
いきなり台本渡されて明日には本番。
自分は部活に入った覚えもないし、
役者志望でもないのに訴えれば、
「アンタが自分の足でここまできたんでしょ？」と論破された。
確かに、来たけど..！
強制的に連れてかれたのだ、隣にいる人に。
先程まで泣いていた彼だが、今は私の隣で同じくドレスに身を纏っていた。
なんというか、
厳つい。
男性が女装しています感が見え見えである。
周りの人たちもクスクスと笑っている人もいれば派手に笑う人もいる。
私は、笑いそうになるのを口の中を奥歯で噛むようにし耐える。
「君！僕の化粧は落ちていないだろうか？」
いきなり顔を向けてきたので、耐えていた笑いがどっと出た。
「笑うんじゃない！」
笑ってはいけないと思っているのに、腹を抱えて笑ってしまう。
「すいま、せん！今笑いを..ふふ」
「全然止まっていないじゃないか！！」
お願いだから、その格好で喋らないで欲しい。
笑いすぎてお腹がつってきた。
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廃人(プロフ) - すごく面白くて!!楽しく読ませていただいてました^^卵ソースさんの作品コンプリートしちゃいました笑 (2021年1月15日 17時) (
レス) id: 7b59a398db (このIDを非表示/違反報告)
ユイカ(プロフ) - 感動しました。是非続篇作って欲しいです！続編出来るの期待してまってます！ (2020年8月9日 8時) (レス) id: b470749ec2 (このIDを非表示/違反報告)
響＠毎日が黒歴史 - 続きを全裸待機してます！！！ (2020年7月20日 2時) (レス) id: 379a2e73fd (このIDを非表示/違反報告)
一樺(プロフ) - めっちゃ続き気になります…… (2020年7月15日 19時) (レス) id: e734b1c435 (このIDを非表示/違反報告)
卵ソース(プロフ) - アヤさん» アヤさん、ありがとうございます！頑張ります！私もエースさんが来ませんでした…お仲間です！ (2020年7月12日 8時) (レス) id: dbdae74e1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卵ソース | 作成日時：2020年6月13日 10時
