trente-quatre 34 ページ35
「..失礼します」
部屋に入ると辺り一面、高級感が半端ない化粧部屋。
喉の奥がひゅっとなる。
一つ一つが綺麗すぎて、どうすればいいのか困ってしまう。
ドレッサーの上にはガラスでできた化粧品が置いてある。
..割ったら終わりだ。
「余所見してないで、こっちに座りなさい」
先輩の言葉に従い、椅子に座る。
「顔を上げて」
疑問が積み重なるが、言われた通りに上を向くと、
目を見張るほど神々しい顔つきが映る。
先程、うっとりしていた人の気持ちがわかったような気がする。
ヴィル・シェーンハイト様は、美しすぎる。
「....やっぱり..アンタ..
女？」
突然、核心を突かれ瞼をパチクリさせる。
「..え？」
抜けた声が口からこぼれ出た。
..何でバレたの！？
「違いま」
「正直に言いなさい、誰にも言いはしないわ」
真剣な目で問いかけられる。
これ以上嘘をついても無駄だと分かり、真実を話す他なかった。
「....女です」
「...そう。アタシの目に狂いはなかったようね」
当てられた..！
「あの、何でわかったんですか？」
ここへ来て誰にも気づかれなかったのに..
昨日はフロイド先輩にバレたと思ったがバレなかった。
見た目だけでわかった人はヴィル様だけである。
「アタシぐらいになると分かるものよ」と言われた。
..凄い！感心してしまう。
「だけど、ここは男子校よ？なぜ女のアンタがここにいるのか不思議ね」
「それは..私も知りたいです」
気づいたらここにいた。それ以外何もなかった。
「アンタが女だと分かってる人はいるの？」
「..多分、ヴィル様だけだと思います。」
..確信は出来なかった。
「.....まぁ、何かあったらアタシに頼って頂戴。このヴィル・シェーンハイトが力になってあげるわ」
優しい笑みで言われ、温かい気持ちになる。
初対面なのにこんなにも優しくしてくれるなんて..！
..なんて、優しい方なのだろう。
「あ、ありがとうございます..！ヴィル様..！」
ありがたさに打たれる。拝みたくなるくらいだった。
「…ところでアンタの名前は？」
「ルネと言います。ルネ・ファスターです！」
名前覚えといて良かったと安堵した。
「ルネ、ね。
....アンタの顔を貸してもらうわよ..！」
「.....はい？」
trente-cinq 35→←trente-trois 33
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1025人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廃人(プロフ) - すごく面白くて!!楽しく読ませていただいてました^^卵ソースさんの作品コンプリートしちゃいました笑 (2021年1月15日 17時) (
レス) id: 7b59a398db (このIDを非表示/違反報告)
ユイカ(プロフ) - 感動しました。是非続篇作って欲しいです！続編出来るの期待してまってます！ (2020年8月9日 8時) (レス) id: b470749ec2 (このIDを非表示/違反報告)
響＠毎日が黒歴史 - 続きを全裸待機してます！！！ (2020年7月20日 2時) (レス) id: 379a2e73fd (このIDを非表示/違反報告)
一樺(プロフ) - めっちゃ続き気になります…… (2020年7月15日 19時) (レス) id: e734b1c435 (このIDを非表示/違反報告)
卵ソース(プロフ) - アヤさん» アヤさん、ありがとうございます！頑張ります！私もエースさんが来ませんでした…お仲間です！ (2020年7月12日 8時) (レス) id: dbdae74e1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：卵ソース | 作成日時：2020年6月13日 10時
