青ニットと鬼ごっこ ページ46
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ある日のバビルス。新入生ゾフォルト・リズは、ようやくこの悪魔学校にも慣れてきたところだ。
今日の授業が無事に終わり、明日の授業は何があるのか考えながら廊下を歩いていると、後ろから知った声が自分の名前を呼びながら迫ってきて……
「……え？」
「リズーーーーーー!! 助けてェーーーーーー!!」
「いっっ…!!」
ドタドタと走ってきたゾムはその勢いのままリズに抱きつき、彼女に助けを求めた。男子の体を支えられるほどの力がないリズは、抱きついてきたゾムを数秒で落としてしまい、自身も体にダメージを負った。
「痛…どうしたのゾム？」
「こっ怖い先生に追われとるんや!!」
「えぇ…？」
「えっと、えっと、不気味な先生が追いかけ回してくるんや!!」
「不気味な先生って…」
ここの先生で不気味なイメージというと、かなり絞られるが、生憎考える前にゾムがまたビビり散らかすので思考がまとまらない。
「き…きたぁぁぁぁぁ!!」
「？ ……！？」
ゾムの後ろに迫っていた先生を見て、リズは鳥肌が止まらなくなった。青いニット帽に、光を宿していない目。何故か血だらけな風貌。
「(こ…この人…ラッダァ先生だ…！)」
「ゾム〜〜〜〜〜〜 あれ？ リズもいるじゃ〜〜〜〜ん」
「──!?」
気がつけばゾムに姫抱きされていた。ラッダァとかいう先生がリズの名前を口にしたその瞬間にはもう。
「あの先生リズのことも追っかけ回しとったん！？」
「えっ？ いや、初耳なんだけど!?」
とにかく逃げようと、ゾムはリズを抱きかかえながら走る速度を一気にあげた。
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作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月15日 10時
