♢ ページ43
「え〜それでは我々チーム…大食いチャレンジスタート!!」
スタートの合図と共に、肉を一気にバクバクと完食していくトントン(＋トン)＆ゾム。
「うおおおおお！？ あそこのチームすげええええ!!」
「特にあの二人!! と一匹」
「食う量も速さも尋常じゃねぇ!!」
「これは666人前完食するんじゃないかー！？」
「ほら言わんこっちゃない！ アイツらばかり目立っとるやないか！ どないすんねんシャオロ───」
シャオロンは一人前を完食して満足している。
「シャオちゃんッッ！？ やる気あんのか！？」
「めちゃくちゃある」
「嘘つけ思いっきり箸止まっとるやんけ!! も〜リズちゃんもなんか言っ……リズちゃん！？」
「ん？？」
ウツの視線の先には、いつの間にか普通サイズのステーキを三人前間食しているリズが、彼女の名前を呼んだ自分を見つめていた。
「えっめっちゃ食うやん！？ リズちゃん意外と大食い！？」
「ちょっとお腹きつくなってきた」
「三人分食べて感想それ！？」
ウツは今日は驚いてばかりである。大食い二人にやる気ない疑惑が出ている一人、更に意外と大食いな一人と一緒にいるせいか、比較的まともに見えるのである。
「まあまあ落ち着けよ。俺の見立てじゃ「そろそろ」や」
「え───？」
何のことかと思った矢先、ウツの視界には食べるだけ食べて飽きたと確かにそう言ったゾムが映った。
「トントンこれあげる。これも。はいこれも」
そして次々と肉をトントンが食べている肉が乗っているお皿に移していく。食害の始まりだ。
「ちょ待て！それお前の分やないかい！さすがにそんなに食えへんぞ！？」
「遠慮すんなって！オレはただトントンが(苦しみながら)いっぱい食べてる姿を見られれば満足やから…!!」
「こいつこないだの歓迎会で味占めよったな！？」
食害という厄介極まりない迷惑行為にハマってしまったゾム。トントンの胃袋はどうなることやら。
「やっぱりこうなると思ったわ…」
「状況悪化しとるやんけ！ ホンマどうすんねんこれじゃ完食すらできへんぞ！？ そしてこんな状況でも呑気に食べてるリズちゃん可愛いな!!」
周囲がだんだん悪い流れになってきたにも関わらずもぐもぐと肉を頬張るリズ。空いた皿の数は目視できるだけでも七枚はある。彼女の胃は一体どうなってるんだろう……。
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作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月15日 10時
