食害 ページ42
「なーなーシャオロン。シャオロ〜〜〜ン」
「最近アイツ上の空やな…」
トントンの言う通り、シャオロンは新聞を見ながらそのまま固まっている。ゾムが呼んでも全く反応を示さない。
「処刑玉砲で僕より活躍できなかったのが堪えたか?」
「いやそんなんでウジウジする奴ちゃうやろ」
「それはないんじゃないかなー」
「そんなん!? リズちゃんもそんな否定しないで!!?」
「またアイツの気合いが入りそうなイベントがあるとええけどな…」
トントンがそう言った直後、メガホンを使ったアナウンスが入る。
「学食にお集まりのみなさーん!! ただいまデビルビーフ666人前大食いチャレンジ開催中ー! 胃袋自慢は奮ってご参加くださーい!!」
大量の肉を見たゾムとトントンが反応しないわけがなく、既に目をキラキラと光らせている。
「シャオロンこれ挑戦しようぜ!!」
「完食したらめちゃめちゃ人気者になれるで!!」
「お前らが肉食いたいだけだろ!」
「大先生が正論ツッコミしてる…」
「え? 基本僕正論ツッコミしかしてなくない…?」
リズが「正論を言うなんて意外だ」という目で見てくるので、ウツはショックを受けた顔でリズを見つめ返す。「あれ? そうだっけ?」と本気で惚けた顔で言うので、ウツはさらにショックを受けた。
「…まぁとにかく、大食いできても女にモテへんやろうし僕はパスやわ…行こうぜリズちゃんシャオロン」
「せやな」
今まで黙りだったシャオロンがウツの言葉に返事をした。……しかし、言うことを聞くとは一言も言っていない。
「参加しまーーーす☆」
「シャオちゃん!? 勝手に名前書かんといて!!」
「ちょっと!? 私の名前も勝手に書いてあるー!」
強制参加させられたウツとリズはプリプリと怒ってシャオロンに詰め寄った。
「正気か!? いくらチーム戦とは言え大食いの土俵じゃお前は目立てへんぞ!!」
「なんで私の名前勝手に書いたの!?」
「大先生。リズ。俺を見くびってもらっちゃあ困るぜ…!」
キメ顔でリズとウツにそう言ったシャオロン。それにウツは嫌な予感しかしないと不安が募る。
いや私が聞いたことに対して答えてなくね? Byリズ
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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時