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窓から外を見てみると、そこには大きな大きなピンク色のふわふわがついた木があるではないか。これを特待生──イルマが生み出したらしく、注目の的はまたしても彼の元へ行ってしまった。

「…なんなんやあいつ。何でいつも俺の影が薄くなるようなことばっかすんねん。俺の事嫌いなんか?」

 恨めしい表情でそう言うシャオロンだが、肝心の入間はシャオロンのことは知りません。

「あんくらい本気出せば俺だってなぁ…」
「シャオローン、窓ガラスヒビ入ってるよー」

 ピシピシとヒビが入っていく窓ガラスを案じて声をかけるも、今のシャオロンにリズの声は届いていない。

「なーなー! もっと近くで見に行こうぜ! めっちゃおもろそうやん!」
「えぇ? 何でわざわざ特待生(イルマ)のつくったもん見に行かなアカンねん。ひとりで行けよ」
「近づくと危ないかもしれへんしな」
「僕もパス」
「あれまぁみんな乗り気じゃない」

 ゾムがもっと近くに行きたいと言ったが、過半数以上が否定的。リズは別に行っても行かなくてもどっちでもいいと主張。

「……そっかァ…しゃーないわ…みんなで溶岩(マグマ)ぶっかけ大会で我慢するか…」
「カ〜〜〜〜〜〜ッ!! ピンクのふわふわ見に行きてェな〜〜〜〜〜〜ッッ!!」

 あまりにもみんなが乗り気じゃないことに落ち込んだゾムは、周りからしたらとても危険な代案を提示。そんなことされたらたまったもんじゃない一同は一瞬にして手のひらを返し、結局特待生作(イルマさく)「ピンクのふわふわ」を見に行くこととなった。

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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時

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