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「……あっ(投げ方教わってない!!)」
ウツが教わったのは避け方(正確にはDDRの上達)だけで、回避することに心血を注ぎすぎた結果、投げの練習が全然できていなかった。つまり、どう頑張ってもウツに勝ち目はなく、いつかは当てられて終わりが来る。
「(かっ…かくなる上は!!)」
ウツがとった行動は、羽の付け根を捧げて土下座ヲすることだった。彼が羽の付け根を捧げるのはこれで何回目だろうか…。
「シャオロンさんお願いします僕に勝たせてください」
「「「「ええーーーー!?」」」」
「……大先生…」
「シャオちゃん…！」
あまりにも優しい笑顔でシャオロンがウツのあだ名を呼ぶものだから、つい勝たせてくれるのかと期待してしまうが、現実はそう上手くいかない。
「嫌です☆」
「ですよね──」
ウツは顔面に思い切りボールをぶつけられ、メガネのレンズはバキバキになり、処刑玉砲はAチームの勝利で幕を閉じた。
────
「結局昇級ならず…か。これで僕も独り身や。努力は往々にして報われない…」
「……」
タバコを吸い、独り言を言うウツ。彼はちゃっかりリズが座っている隣に座り、リズから呆れ顔に加えジト目で見られ、何で来たと言われる。
「あ〜〜〜、今回は俺の完敗やで大先生！」
そこへ更にシャオロンもやって来て、そのようなことを言った。
「……は？ なんや嫌みでも言いに来たんか！ お前のチーム勝ったやろ！」
「いや言うて俺も昇級できんかったし。「３」の壁厚いわ〜。リズよう３になれたよな、すげーよ」
「あ…ありがとう…」
いきなりシャオロンに褒められ、少しびっくりしながら礼を言うリズを見て微笑み、シャオロンは続けた。
「それに、今回の主役は───間違いなくお前やったで」
後ろの方を指さしながらシャオロンが言うと、その方向からたくさんのDクラス生徒達が押し寄せてきていた。
「大先生ーーー!!」
「！？」
「いやお前マジでおもろかった!!」
「オチまで完璧だったぜ!!」
「ずるいよ〜！ 笑うよあんなの〜！」
次々と褒められてアタフタしていくウツに、リズとシャオロンは顔を見合せておかしそうに笑った。
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作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月15日 10時
