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ページ38

「お前…ッ俺を…守ろうと…!? 無茶しやがって…馬鹿野郎…ッ!!」
「トントンアウトー」

 トンを抱きしめているうちにトントンもシャオロンにボールを当てられてしまい、今度こそ完全に外野行きとなった。その際に外野から全員殺すと物騒な発言もしていた。ちなみに危険行為をしたゾムも外野行きだ。本人は当ててへんのにと文句を垂れていたが、そもそものルールがボール以外の魔術は禁止なので仕方がない。

「アウトー!」
「ッし!!」
「ついにBチームは残り…大先生だけだー!!」
「あいつ試合開始からずっとあのポーズしてへん?」

 生き残りの子が一人アウトになってしまい、残るはウツだけとなったBチーム。Bチームの面々は「負けた」だの嘆いており、ウツが勝てないこと前提で話を進めている。

「敵ながら哀れなほど信用がない…」

 これにはシャオロンもびっくり。

「せめてリズがBチームにいれば…!!」

 外野行きになったBチームのメンバーがリズを必要としているが、生憎ドクターストップがかかっているため無理に激しく動けない。従って、処刑玉砲も参加できないのだ。

「ごめぇん…」

 距離があるため聞こえているかは分からないが、申し訳なさから手を合わせてリズは謝った。

「ようやく僕のステージが温まったようだな。敵に情けは無用やでシャオロン。全力で来いよ、相手してやるぜ…」
「さっきからエラい自信やな。まあええけど。どのみち手加減なんて一切する気あらへんからなァ!!」

 そう言ってシャオロンはウツに豪速球を投げつける。このまま当たると思われたその瞬間、ウツは両腕を広げ、足はそのままで上半身をお辞儀のように下げ、頭…顔は正面を向くというシュールな格好で避けて見せた。

「………な…??」
「ひるむなシャオローン!! 挟み撃ちにするぞ!!」

 後ろからゾムがボールを投げる。

「刮目せよ。僕の華麗なる…デビル・ダンス・レボリューションを!!」

 それをまた、ウツは踊るように避けた。

「ま…またよけたああああ!?」
「悪いなシャオロン。お前の出番食っちまってさ…!」

 カッコつけて言ったウツだが、シャオロンたちはそれどころではない。先程からウツの踊るような避け方に、吹き出しそうになっているのだ。

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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時

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