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理由が予想外すぎて声がハモるのもつかの間、リズは胸の内に秘めていた思いを一気に吐き出していった。最後には顔は俯き声は小さくなって、泣きそうになっているのか声に関しては震えてもいた。
「「「「………(はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?クッッッッッッソかわっっっっっっ!!)」」」」
「あぁぁ〜言っちゃったよぉ…だから会いたくなかったのワガママ言っちゃうから…」
男子たちが心の中で荒れているとは知らず、ワガママ言っちゃうから会いたくなかったと嘆くリズ。
「(は?クソ可愛いんだが?最近リズが可愛すぎて仕方ないんだが?)」
「(リズちゃんこれがワガママやと思ってるん?えめっちゃ可愛いんやけど)」
「(これワガママ認定しとるんかリズ……可愛ええ奴やなお前……)」
「(これオレも普通に言いそうやしワガママとは思わんけどなぁ……)」
各男子諸君の思ったことはこれの通りである。つまりリズがワガママだと思っていたことは、彼らにとってワガママでもなんでもないただの可愛い理由なだけだった。
「…なんやそんなことか!せやったら骨折中のリズにもできる仕事考えんとな!」
「シャオロン…!」
「足を使わん作業は難しいやろうなぁ、苦労するぞリズ」
「存在自体が癒しやから居るだけでやる気出るで僕は」
「大先生練習全然来ぉへんやん」
「ぐっ…痛いとこつくなゾム…」
「みんな…」
嬉しさいっぱいで、リズの目は涙が溢れていた。この涙が嬉しさによるものだと知らない男子勢は、泣かせてしまったと焦って宥めようとする。そんな彼らに向かって、リズは満面の笑みでお礼を言いながら四人を抱きしめるように抱きついた。
「ありがとう…っ!」
「「「「……!」」」」
彼らはお互いに顔を見合わせ、抱きついてきたリズを抱きしめ返し、それはそれは優しい表情で彼女を受け入れた。
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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時