♢ ページ32
「(それはそうとして……)いい加減邪魔。鬱陶しい」
「えぇ〜そんなひどいこと言わんでよリズちゃあん゙っ」
気色悪いトーンで更にリズにベッタリするウツの脇腹を、手首を拘束された状態のまま肘打ちを食らわす。当然ウツはうめき声をあげてベンチから滑り落ち、脇腹を抑えて悶える。
「ゾムもどいて。シャオロンはいい加減手離して」
ゾムとシャオロンからの拘束も振りほどき、リズは晴れて自由の身を手に入れた。
「にしてもホンマに散歩してただけなんか。もっと何か理由あると思っとったわ」
「…まぁ──処刑玉砲が終わって、かつ私の骨折が治るまで会わないようにするつもりではあったけど」
リズがそう言うと、シャオロン達四人は彼女を見ながら固まって……一斉にリズに詰め寄った。
「やっぱあるやないか他に理由!!」
「そんな長い期間会わないようにする気やったん!?そんなんされたら僕死ぬ!!」
「せめて顔くらいは見せてくれてもええやろ!!」
「オレはよリズと遊びたかったのに!!酷すぎん!?」
「うっ…ご、ごめんって…」
なんて一気にまくし立てられるものだから、さすがに罪悪感を感じて咄嗟に謝罪の言葉が出た。
気を取り直して、今度はどうしてそんなことをしようとしたのかを聞かれた。
「何でそんなこと考えとったんや」
「何でって………」
逸らしていた目をようやく真っ直ぐに向けると、彼らはまじまじと見つめながらリズが話すのを待っている。一瞬にして言いづらさを感じてしまったが、ここで言わなければ一生解放してくれないだろうと腹を括って、正直に理由を話した。
「……羨ましかったんだもん」
「「「「……え？」」」」
「だって…！練習すごい楽しかったんだもん！そんな楽しいこと私だけ参加できなくて、みんなだけでどんどん進んでくなんて……そんなの、ずるい……」
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作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月15日 10時
