やっと見つけた ページ31
「…で、今までどこ行ってたんや?」
「え〜っと…普通に散歩してただけなんだケド…」
相変わらず目は逸らされたまま、ぎこちなく全員の前でそう言うリズ。
結局あの後シャオロンから逃げることができず、他の三人を呼ばれてしまいリズはベンチに座って若干縮こまりながら事情聴取をされていた。
「ほ〜ん……まぁそういうことにしといたるか」
まだ疑うような目をしているが、一応リズの証言を信じることにした。そして、リズの正面にしたシャオロンは今度は背後に移動すると、自身の両腕で彼女の両手首を片方ずつ掴んだ。
「えっ?あの…これ何シャオロン…」
「何って?リズの逃亡防止対策に決まっとるやろ」
「…??」
「さぁ本当のこと話してもらうでリズ…!!」
ゲス顔で言ったシャオロンに、リズは確信した。こいつらはさっき言ったことを何一つ信用していないと。なんなら目の前にいる
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「……ってことだから…そろそろ離れてくれませんかね、君ら…」
こればかりは仕方ないと受け入れていたリズだが、そろそろ本気で鬱陶しくなってきてウンザリした顔で彼らに言った。
シャオロンには背後から腕を拘束され、ウツに右隣に座られて肩に腕を回され、ゾムには左側から腰あたりに両腕を回されてホールドされている。トントンはリズの前で地面にあぐらをかいて座っているよ。
リズ曰く、家にいなかったのは気晴らしのために散歩に出ていただけで、深い意味はないそう。学校に来なかったのも、骨折中は歩くのも困難なため、一日中飛んで過ごすにしても中々に疲れが出るので、休みにしてもらっただけとのこと。
「事前に連絡できなかったのは謝るけど…それにしたってあんなに必死になって探されるとは」
今になって思い出すと驚いたもんだ。まさかそんなに心配されているとは想像もしてなかったため、シャオロンの他にウツ、トントン、更にはゾムの姿が見えた時は吃驚して目を思い切り見開いた。
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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時