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「………あーもう!! どんだけ探し回ったと思ってんねん!!」
どれだけ探し回っても見つからず、さすがに怒りのゲージが溜まってきたシャオロンはギャーギャーと怒りながら地上をドスドス歩いている。
「(さっきからおんなじとこグルグルしとることにさっき気づいたし……なんですぐに気付かへんねん俺は!!)これはマジでリズを見つけたらすぐにお仕置せな…」
「……!」
───目が合った。シャオロンの目には、ベンチに腰掛けて確実にこちらをビックリした表情で凝視しているリズの姿が……。
刹那、反射的に反対方向に飛び去ろうとするところを、慌てて猛スピードで接近し、腕を掴んで止める。そして、まさにその名の通り悪魔のような笑みを浮かべてリズにどこへ行こうとしているのか聞いた。
「どこ行こうとしてんのかなァリズ〜〜〜〜〜〜??」
「え、えと…ドウモ…シャオロンサン…」
こんなタイミングで会ってしまうとは。認識阻害されているから大丈夫だろうと高を括り、油断していたリズはシャオロンが近づいても気づくことはないだろうと思っていた。が、見事に気づかれたのだ。かける言葉も見つからず、目を逸らし冷や汗を垂らしながら誤魔化すような表情になり、ついカタコトで返してしまった。
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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時