消えたあの子を探し出せ！ ページ27
．
「チッ……クソっ、ス魔ホも特定しておくべきやった…!!」
舌打ちをしながら魔具操作でリズのス魔ホから彼女の位置を特定しようとするショッピ。位置情報を切っているのか、中々に特定することが難しい。
「(確かに住所だけ特定しても、必ずしも家におるとは限らへんよな…その考えが抜けとったわ…!!)」
珍しく焦った表情をしながら、一年生達に「リズが家にいない」と言われた時のことを少し思い出した。
「(ちょっと考えれば分かることやのに、なんでや…っ!!)」
それほどまで、自分でも気づかないほどに焦っていたのだ。リズに会いたいが故に、周りが見えなくなっていた。
そのことに気づかないまま、ショッピはス魔ホの位置情報を探るのに必死になっていた。
一方、空をあちこち飛び回ってリズを探している一年生四人は、またしても彼女が見つからないまま全員合流してしまった。
「リズおったか！？」
「いや、こっちにはおらんかったわ」
「どこ行っちゃったんやろリズちゃん…」
「トンにも探してもらっとるけど、一向に見つかる気がせん」
シャオロンがみんなに居たかどうか聞くが、答えは明瞭。まだ誰もリズを見つけられていない。ここまで見つからないとなると、認識阻害の魔術か何かをかけているとしか思えない。
「クソ…あいつ、見つけたらお仕置したるからな…」
「お仕置って…シャオちゃんそんな卑猥な」
「そんなヤベー仕置ちゃうわ！」
なんてふざけていると、突然ス魔ホに通知が届く。
「？ 何や…？」
送られてきた内容は、ショッピからリズが今居るであろう大凡の位置情報が三つほど。位置情報が切れている挙句、それらしきものを特定してもすぐに位置がブレるようで、確実にこれだ！ というものが分からないとのこと。
「…いや、方向が絞れただけでもデカい！」
「ナイスやショッピ君！」
大凡の位置情報は、彼らから見て北、北北東、北東と丁度ほぼ同じ方向に固まっており、シャオロンは北を、ウツとトントンは北北東を、ゾムは北東を探すことにした。
「(リズ…絶対に見つけたるからな!!)」
その思いを胸に、シャオロンは出せるスピードを全開にし、リズが居ると思われる場所まで飛んでいった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月15日 10時
