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「ああ、できますよ。特定」
「「「「……な、なんやってーーーーーッ!?」」」」
師団室に来るなりどんよりした様子の後輩達がさすがに気がかりになったショッピとチーノが事情を聞いた。彼らが事情を説明し、もう打つ手がないと嘆いているところで、先程のショッピのセリフが出たというわけだ。
「ショッピ君そんなことできたんか!?」
「家系能力がもうドンピシャなんで」
「マジか…!! こんな身近に救世主がいたとは…!!」
一年生四人は、落ち込んでいた雰囲気から一転、パァァァァっと明るい空気に変わってショッピを褒めたたえた。
「とはいえどこから特定していくかやな…」
自分の胸辺りの前に何枚ものパネルを出して、次々と操作を始めていった。その様子をチーノと共に見守る一年生ズ。
ショッピは全員に見守られながら、着々とリズの家の位置の特定を進めていく。本来なら犯罪に匹敵する行為だが、この際致し方なし。みんな早くリズに会いたいのだ。
「……出来ましたよ」
何分経っただろうか。無事ハッキングを終えたショッピは、リズの家の位置情報をシャオロン達のス魔ホに送った。ピコピコと音が鳴って全員がス魔ホを見ると、ショッピからの情報ファイルが来ていることを確認した
「ありがとうショッピ君。これで俺ら、リズの見舞い行けるわ！」
シャオロンが代表して礼を言うと、ショッピはいつも崩さないポーカーフェイスを少しだけ緩ませた。
「…まぁ、こっちとしても紅一点が来てくれないと華やかさに困るんで」
「本当は俺らも行きたいけど、師団室開ける訳にもいかないし」
先輩二人から「行ってこい」と言われ、一年生ズがそれに応えて元気よく返事をした。
二人だけとなった師団室で、チーノは一年生四人を見送った後、チラッとショッピの方を見た。
「……何」
「いやぁ？ まさかあのショッピ君が一年に協力するとは」
ジロジロ見られて良い気がしないショッピは素っ気なくチーノにどうしたのか聞くと、チーノはショッピが一年に協力するのが意外だと言った。
「……それが何や。俺やってリズさんの容態気になんねん。師団室開ける訳にもいかんしあいつらにパシらせようと思っただけや」
「…そういうことにしといたるわ」
と言ったチーノに、そういうことでしかないわ！ と怒るショッピ。それにチーノは大爆笑。何だかんだ仲の良い二人である。
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作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月15日 10時
