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「知らない☆」
テヘッ☆
懐かしの入学早々チンピラに見せたあの腹の立つ態度で堂々と言った。ウツ、トントン、ゾムはズコーッと椅子から滑り落ち、「知らへんのかい!!」と総ツッコミを入れた。
「やってリズと初めて会ったん悪魔学校通うようになってからやん!! 誰も知らへんやろ!!」
シャオロンの言うことも間違ってはいない。ここにいる全員、リズと知り合ったのは入学式以降。誰も彼女の住所を知らないのである。
「「「「はぁ〜〜〜……」」」」
打つ手がなくなり、四人一斉にため息をついた。
「アカン……思い切って見舞い行く言ったそばからこれや……」
「見舞いに行きたいんは俺らも山々やけど…如何せんリズがどこに住んでるか知らんからなぁ…」
「くっ…こんなことならリズちゃんをストーカーしてでも家を特定しておくべきだった…!!」
それは犯罪やからやめぇやとトントンがウツに注意する。
机に顎をくっつけてガックリ気を落とした表情をするシャオロンは、どうにかして彼女の住所を知る方法がないかを考えていた。
「(俺らが知らないんじゃ、接点がもっとないあの先輩らも知るわけないやろうしな……どうしたもんか)」
そんな調子で時間が過ぎていき、あっという間に放課後になってシャオロン達四人は落ち込んだ様子で我々師団の師団室に行くことにした。そこで彼らは、予想だにしない朗報を得ることになる───。
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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時