失踪彼女 ページ23
.
リズが足首を骨折してから翌日。シャオロン、ウツ、トントン、ゾムは、本来なら彼女がいるはずの空席の場所を見つめていた。
「……リズ、来ぉへんな」
ペンを指で回しながら、つまらなそうなトーンでシャオロンが言った。それに賛同するように、ウツも落胆させていた雰囲気を更に落胆させ、机に顔を突っ伏した。
「骨折って言われとったしなぁ…来るのキツイやろ」
トントンだけは仕方ないと割り切っているようだが、それでも彼女のいない学校生活は、何か物足りなさがあった。ゾムに至ってはもう一言も発していない。何も言わずにじーっとリズがいつも座っている席を眺めているだけだった。
「………決めたわ」
突然すくっ、とシャオロンが席を立ち上がる。それに釣られてなんだなんだとみんな一斉にシャオロンを見た。
「俺、リズの見舞い行くわ」
「行くってお前……リズちゃんの家知っとんの?」
「………」
突然何を言い出すかと思えば、シャオロンはリズのお見舞いに行くらしい。しかし、ウツが言ったように肝心のリズの家を知らなければ意味がない。シャオロンはウツにリズの家の場所を知っているのか聞かれ、キリッとした表情を崩さず黙っている。そして次の瞬間には───
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時