検索窓
今日:3 hit、昨日:42 hit、合計:6,190 hit

ページ20


 ある日、いつものようにみんなと処刑玉砲に向けて特訓をしていた時。リズはいつものように遠くまで飛びそうになったボールを先回りでワープして受け止めようとしていた。
 ちょうどあの辺かと目星をつけて、空間移動(テレポート)を発動した時だった───

 ───グギッ……と嫌な音が耳に響いた。

「! …い…ったぁ!」

 ワープ先で足をあらぬ方向に捻ってしまい、その場に蹲る。

「リズ!?」
「大丈夫か!?」

 一緒に練習していたシャオロン、ゾム、トントンが彼女に駆け寄った。地面に蹲って右の足首を抑え、痛みを堪えるように唸っている。

「っ〜!」
「大丈夫かさっき嫌な音したぞ!」
「リズ、足捻ったんか…? 大丈夫か?」

 目尻に涙が浮かんできて、いよいよまずいと感じた三人は、ひとまず回復が得意な先生──ブルシェンコ先生を呼んだ。

「先生! こっちです!」
「一体何事だ…!?」

 トントンの案内により駆けつけたブルシェンコ先生は、地面に蹲って足首を抑え痛みをこらえているリズが目に付いた。足を捻ったことによる一時的な痛みか、もしくは本当に捻挫。最悪の場合、骨折も有り得る。

「リズ…!? これは一体どういうことだ…」
「リズの奴っ、ワープしたら足捻っちゃって、それで…!」

 アタフタしながら語彙が全く足りていない説明をするシャオロン。全く理解のできない説明だが、ワープという言葉と、足を捻るという単語だけで大方察しはついた。

「……ひとまず、彼女は医務室へ連れていく。お前たちも、遅くならないうちに帰るように」
「は、はい…」

 そうしてリズはブルシェンコ先生により医務室へ運ばれ、現在に至る。医術の資格を持つシンペイに「骨折」と判断されたのだから、きっと骨折で間違いないのだろう。

♢→←悲壮な事故



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。