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階位(ランク)を上げたい…?」

 あんな顔までしてシャオロンとリズに頼みたかったことは、自分の階位を上げることが目的だった。

「ホントはこんなことお前らに頼むのはめっちゃ癪やねんけど…あの不人気者のシャオロンがチヤホヤされてるのを見てハッとしたんや。あっ、チヤホヤされて嬉しそうなリズちゃんは可愛かったよ」
「シバくぞ」
「えキモ」
「今僕に一番必要なのは「階位(ランク)」だ。なぜなら…」

 一体を何を言い出すのか少し気になってきたリズの期待は次の瞬間、瞬く間に砕かれた。

「僕の野望はこの学園の…いや、魔界中の美女をはべらせて享楽的に生きることやねん!! でも今の階位のままじゃ行きすがりの女どころかキープ中の女たちにすら愛想尽かされる始末…!!」

 何ともまぁしょーもないことを言い出すものだから、次第にシャオロンは飽きて爪をいじりだした。リズに至ってはス魔ホを触って話を聞いているのかすら怪しい。それでもウツは気にせず続けた。

「だから頼むお前ら…次の昇級に向けて協力してくれ…このままじゃ僕のガールフレンドが0人になってしまう……ッッ!!」

 涙を流して誠心誠意協力を要請するウツだが、話を聞かされていた面々の反応は、

「いやそれは自業自得やろ」とトントン。
「たまにはフリーもええんちゃうか」とシャオロン。
「…あっ、この服かわい」とリズ。
「そんなことより遊びに行こうぜ」とゾムがそれぞれ無慈悲な回答をして終わった。リズに至ってはやはり話など聞いていなかった。トレンドに乗っている流行りの服を見てお気に入りマークをつけている。

「お前らァ!! 悪魔が羽の付け根捧げとんのやぞ…!!」

 泣き喚いてそう言うが、ゾムとシャオロンは無視して何して遊ぶかはしゃいでいる。

「まあとは言えどのみちもうすぐ次の「階位昇級対象授業」が始まる頃やしな。俺らも対策立てといた方がええやろ。ついでに大先生の面倒も見たったるわ」

 代わりにご飯を奢ってもらう約束で、トントンはウツの階位昇級に協力することにした。

「トンちゃん…一生ついていく…♡」
「ところで次の昇級の授業ってなんやったっけ?」

 ときめいているウツはスルーしてトントンに授業の内容を聞くシャオロン。するとずっとス魔ホばかり見ていたリズが視線をシャオロンに移して答えた。

「次の昇級授業は「処刑玉砲(しょけいぎょくほう)」だよ」

♢→←大先生の嘆き



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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時

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