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何が起こったのか理解できないシャオロンとリズの傍らで、チーノがヒトを小馬鹿にするようなトーンで喋り出した。
「あ〜あ。ダメじゃないですかねぇ。赤の他人からもらったものを何の疑いももたずに飲み食いしちゃあ」
そう言ったチーノの手には、悶絶ソーダや下剤入り面妖つゆと書かれたラベルが貼ってあるボトルが。それを見たシャオロンは空いた口が塞がらない。
「チーノ…お前…詐欺師みたいな奴やな…」
「え? ようやく気づきました?」
と言って、怪しくニヤッと笑うチーノ。シャオロンは改めて、我々師団にはロクな奴がいないと再認識させられた。
「ただいま〜」
ケツを冷やしに行っていた(言い方よ)ウツがようやく帰ってきて、喉が渇いたと言ってチーノが入れた「悶絶ソーダ」を飲もうとする。
「喉乾いた〜。これもらうでチーノ」
「あっ、アカン大先生それは…!!」「大先生ストップ…!!」
シャオロンとリズが止めるも既に遅く、ウツは悶絶ソーダを喉に流し込んでしまった。胃に届いた悶絶ソーダの液体は、帰ってきたばかりのウツの腹を刺激するには十分すぎた。
「あだだだだだだだだ!? チーノォ!? このジュース腐っとるぞ!?」
「ええ〜〜〜〜!? 本当ですか!? ごめんなさいぃ気づかなくて〜〜〜〜〜〜!!」
文字通り悶絶しているウツを心配する…フリをして涙が噴水のごとく溢れるほど大爆笑のチーノを見て「こいつの言うことは何ひとつ信用せんとこ」と心に誓うシャオロンとリズであった………。
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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時