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 食害の被害者トントンとケツにダメージを負ったウツが一時この場から退散し、スッキリした表情のシャオロンは、座ってから一向に場所を変えずにいるリズの隣に座った。

「は〜〜〜満足したァ。不思議なもんやな〜なんかめっちゃテンション上がってもーたわ」
「いつの間にか他の生徒たちも集まってきましたね」

 チーノの言う通り、ふわふわの周りには気がつけばたくさんの生徒たちが集まっていた。

「賑やかな歓迎会になって良かったっすよ〜」
「つか俺入団するとは一言も言ってへんからな。俺が入りたいのは…」
「わかってますよ。本当はシャオさんが生徒会に入りたがってることは」
「…えっ」

 チーノは始めからシャオロンの入りたい師団を把握していた。これにはシャオロンもリズも驚いてチーノを見つめた。

「ただ団長がシャオさんのことを…それにリズさんのこともすごく買ってはるんです。シャオさんのようなこんなに欲望にまっすぐな悪魔はなかなかいないと。リズさんも、初めて団長に会った時あの悪魔(ヒト)の家系能力無効化したみたいやないですか。それで団長…えらくリズさんにご執着してはるみたいで。あなた方は我々師団に必要な存在なんですよ。──これは僕からのお願いですが…もう少し、僕たちと共に活動してはくれませんか」

 最初会った時とは考えられないほど誠実な考えを言ってくれたチーノに、リズは案外良い悪魔(ヒト)なのではないかと思い始めていた。

「ま、お前ええ奴っぽいから考えといたるわ」

 シャオロンがそう言い、リズが同意するように頷くと、チーノの表情はとても明るく晴れた。
 その直後、メキッと不愉快な音がして、それと共に騒がしい声も聞こえてきた。

「おおっこれすげーなァ! 一本もーらい!」
「俺らの師団室にでも飾ろうぜ〜」

 木の枝を折ろうとしている輩がいた。治安の悪い師団もいたものだなとジト目で見つめながら呑気なことを考えていた。

「あっ…ふわふわが!」
「まだ調査(宴会)中なのに! やめましょうみなさん無闇に触っちゃ…」

 注意した瞬間じろりと睨まれて、次にチーノがとった行動とは

「ささっ!! 一杯どうぞ兄さん!! お菓子も全部食べてってください!」
「(変わり身の早さよ…)」

 高速手のひら返しである。この変わり身の早さ、シャオロンも感心するほど。

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作者名:真夜 | 作成日時:2023年7月15日 10時

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