我々会議 ページ23
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「必要なものはこのくらいかな。結構な量だけど運べる？」
「任せてくださーい。簡単です」
そう言って運搬を頼まれた全ての荷物を重力操作で浮かしていく。簡単と言ったのは本当のようで、リズは何の滞りもなく頼まれた仕事を着々とこなしていった。
今から約数分前、師団室に向かう途中でリズはちょうど通り掛かった教師に声をかけられ、運搬を手伝ってくれないかと言われたのだ。
「シャオロンたち待ってるし早く行かなきゃ…」
放課後に先生から頼まれ事をされて皆より出遅れてしまったリズは足に負担かけない程度の小走りで師団室を目指す。向かいから歩いてくる一人の教師とすれ違いの瞬間、相手側から声をかけられた。
「あ、キミ！」
「…！」
相手をしている時間なんてないのだが、なぜだか止まってしまった。そして振り返る。
「何か？」
「今少しいいかな？頼みたいことがあるんだけど…」
「は、はあ…」
またか。またパシリか。リズはあと少しで本気の嫌そうな顔を出してしまうところだった。しかし渋々といった感じなのは伝わってしまったのか、彼は慌てて弁解しようとした。
「あ、いや、忙しいなら別にいいんだ！」
「……いや、まぁいいですけど……なんの用です？」
「！…え、えっとだね、荷物の運搬を手伝ってほしいんだ」
「力仕事？それなら私は向いてな…」
「ほとんど軽いものばかりだからそこは安心してほしい！」
「ああ、そう…」
なら何故なおさら頼む必要があるんだ。そう思ってふと浮かんだのは、膨大な数なのではないかということだった。
案の定その予想は当たっており、パッと見で50以上はありそうな荷物の数々をリズは目をぐるっと一周させて見渡した。
「うっわ…(だっる)」
思わずだるいと言ってしまったが、心の中なので大丈夫だろう。
「半分僕がやるから、キミにはもう半分を運んでほしいんだ」
「……わかりました」
聞けば彼は重力操作が致命的に苦手らしく、いちいち手動で運ばなければならない。これは確かに人手が欲しくなるとひとり納得したところで、リズは浮かばせた大量の荷物と共に目的地に向かった。
今日の運勢アイテム
ショッピの寝袋
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作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月24日 6時
