♢ ページ16
．
さて、図書師団に来たはいいが──…
「ああ…美しい君よ。こと女を魅了することに長けた淫魔であるこの僕が───よもや心奪われることになろうとは。僕は貴方に跪くだろう…悪魔へ魂を捧げる愚かな人間のように…」
「ウワァ…」
「ようペラペラ口が回る…」
女の子を口説きに口説くウツに、ショッピとチーノはドン引きである。
「兄さん頼む〜フラれてくれ〜」
「フラれろ大先生…！フラれてウツ軍団の絆を思い出せ…!!」
そんな二人の思いは虚しく。女の子の悪魔はウツの手を自身の両手で包んで顔を赤らめた。
「今貴方が仰ったそのフレーズ…あの恋愛小説の名作「淫魔の涙」の一節から引用されたものですよね？とっても博識なんですね…！」
「…えっ？博識…!? 博識……」
博識と褒められたウツは涙を一筋流して、女の子とBig Love…な展開に入った。(どんな展開だよ)
「グワーッ！なんだこのラブラブムードは！」
「アカン…！完全に2人だけの世界が展開されとる…！これじゃ付け入る隙がない…！」
「大先生も後回しやー！」
．
次にショッピとチーノが訪れた師団は──…
「キミすんごい上手だね!!プロのゲーマー？」
「ううん？違うよ」
「えぇ!?」
「うそぉ!?」
それでこの腕前!?と騒ぐ悪魔ども。次に二人が訪れたのは遊戯師団だった。遊戯師団に置いてあるゲームで無双しまくってるリズ。とても楽しそうにしている。
「せめてリズさんだけはと思ってたのに……！」
「ゲームに夢中になっとる〜…」
「クッソ、リズさんだけでも何としてでも取り戻さなければ…」
「でもなぁ…ゲームやってる時のリズさん、めっちゃ楽しそうやし…」
チーノが気が引ける的なことを言うと、ショッピも思いとどまってしまう。チラッと目を寄越してみた。今の彼女の表情は楽しさで満ち溢れている。普段目にすることのない、ニコニコとした満面の笑み。
「………リズさんも、後にしとくか」
ショッピの呟きに、チーノは同意するように頷いた。二人は楽しそうにする彼女からそれを奪うことに良心が痛んで、次の師団へ向かうことにしたのであった。
．
今日の運勢アイテム
ショッピの寝袋
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月24日 6時
