♢ ページ2
．
しかし、ここで一つ忘れてはいけないのが、リズの今の容態のこと。アスレチック師団に来てからそのことを言わないまま話を聞いていたが、完全にラッダァが知らない。もしくは忘れてそうなので言ってみることにした。
「知ってるのか知らないのか分からんけど、私今ドクターストップかけられてるんで」
「・・・あっ」
あ、これ知ってはいたけど忘れてたパターンだ。
一年三人は心の中で同じことを思った。
「(ヤ〜〜〜ベ〜〜〜〜〜…ゾム追いかけることに必死ですっかり忘れてたァ〜〜〜〜〜)」
汗がダラダラと垂れてきたラッダァ。リズが足首を骨折したことは前々から狙っていたため様々な情報を仕入れてそこで知ってはいたが、ゾムを追いかけているうちにそのことを忘れてしまい、しかも同時に狙っていたゾムとリズが一緒にいるところを見て完全に勧誘への熱がカンストし、綺麗さっぱり骨折のことが頭から抜けていたのだ。
「骨折が治ったら入れようと思って執拗に狙っていたのが仇になった…」
「何してんすか先生…」
シャオロンは呆れが止まらない。一番忘れちゃダメなやつ忘れるなと軽くツッコんで、話題の中心人物であるリズをチラ見する。
「くぅ〜〜〜〜……仕方ねぇ、今回はリズは見学だ」
「はーい」
まるでそうなることが分かっていたかのようにあっさりと返事して、どこか背中をつけられそうな壁を探し、シャオロンにそこまで連れてってもらった。その間、ゾムはラッダァからスタートやらルールやらを説明されている。
「一通り説明したから後は──」
「ちょっと待ったぁぁあーーー!!」
いよいよゾムにアスレチックを挑戦させるとなった時に、後ろから割り込んできた声。一体誰が来たのか、壁を背に座っているシャオロンとリズにはもう分かっていた。
「チーノ!?」
「チーノだー」
「聞き捨てなりませんラッダァ先生!! ゾムさんに先に目をつけていたのは……僕達我々師団です!! ゾムさんには僕らの仲間になってもらいます!!」
．
今日の運勢アイテム
ショッピの寝袋
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真夜 | 作成日時：2023年7月24日 6時
