王立シエル魔法学院の日常【リレー小説】

入学式当日【ノア・リュミエール】 ページ15

「相変わらず大きいです…」

　僕は、ノア・リュミエール。今日から小等部五年生だ。
　休みの間、ずっと実家に戻っていて、学院には全く来なかったので、見慣れたはずのこの大きい校舎にまた、驚いてしまった。もう、これで五年目のはずなのに、あまり見慣れていなかったのかと思うと、ちょっとがっかりした気分になる。

＿それにしても、今日は少し暑いです。

　僕はそう思う。只単に、僕が暑がりなだけだと思うが。僕は、氷属性の魔法を操るので、寒いのに慣れてしまい、いつの間にか逆に暑いのが嫌いになっていたらしい。

　ふと、周りから声が聞こえた。

「あの女の子可愛くない？ほら、あそこの水色髪の子！！」
「ほんとだ〜！小等部の子かなー？」
「確か、ノアって名前だよ」

　振り向いてみると、中等部あたりの女子生徒だった。

＿僕は男なのに…。

　少し、機嫌を悪くしながら、ゆっくりと校舎の方へ歩を進めた。

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