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嘘7 ページ8

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「桐谷」




教室で一時間目の授業の準備をしていると、前の席の海堂君が声をかけてきた。




「なに?」




いつも通り、にっこりと笑って答える。
一瞬、彼の眉間のシワが少し濃くなった気がした。




「お前、不二先輩と仲いいのか?」




危うく私の眉間にシワが寄りそうになったが、辛うじて持ちこたえた。




「別に、そこまで仲良くないよ。普通じゃないかな?」




表情を変えずに淡々と答えると、彼はまたもや嫌そうに顔を歪めた。




「やっぱりお前気持ちわりぃ」





そんなこと言うなら話しかけるなよ―





そう思ってしまうけど、私の口から出る言葉はいつも、私の物ではないのだ





「酷いなあ。でもどうして、そんなこと聞くの?」




笑顔を張り付けたまま、彼に問い返す。




「噂で聞いたんだ。よく屋上で話してるって」




彼は一旦言葉を区切ったが、すぐに口を開いた。




「お前が誰と仲良くしようがどうでもいいけどな、あの人に失礼な態度は取るなよ」




ギロッと私を一睨みすると、彼は前に向き直りそのまま机の上に伏せてしまった。









「…なるほどね」









そういえばこの人もテニス部だった気がする。
きっと彼は不二先輩のことを慕っているのだ。
だから、私が先輩に失礼な態度を取るようなことがあって欲しくないのだろう。






後輩として、いや、人として当たり前の感情かもしれないが、私にとっては滑稽でしかない。







―先輩なんて所詮は他人じゃないか









「心配いらないよ」







笑わせないでよ







「私、礼儀正しい方だから」








私、悲しいほどに冷酷だから







「誰に対しても敬意を払うよ」








他人のことなんてどうでもいい









…だから、









他人のことを気にしている貴方が滑稽で仕方ないのよ






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エル(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです( ´∀`)更新頑張ります! (2016年12月6日 22時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
Joker(プロフ) - 面白いです、頑張ってください! (2016年12月6日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - soraさん» ありがとうございます!頑張ります(*≧∀≦*) (2016年11月22日 12時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
sora - 続きが気になります!頑張ってください! (2016年11月19日 10時) (レス) id: 7628f733c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エル | 作成日時:2016年11月17日 19時

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