嘘6 ページ7
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その日から、私達はよく話すようになった。
最初は苦手だったが、話しているうちにその気持ちも薄くなっていった。でも、どちらかといえばやはり苦手だ。
｢不二先輩は、テニスが好きですか？｣
私は彼に問いかける。
どうしてこんな質問したのかは自分でも分からない。
｢好きだよ｣
彼が答える。
風が私の髪の毛を揺らす。
彼の茶色い髪の毛も、綺麗になびいている。
｢そうですか、良かった｣
私は嫌いです―
その言葉は飲み込んで、顔にかかってくる黒髪を後ろに払う。
｢僕も質問していい？｣
―いやです
貴方には全て見透かされていそうで怖い
｢いいですよ｣
こう言ってしまうのは、私が"司"だから
｢本当の君はどこにいるの？｣
―ああ、やめて
入ってこないで、私の世界に
｢ふふ、可笑しなこと言いますね。私はここにいますよ｣
心の声は圧し殺して、今日もあの子を演じるの
｢いないよ｣
いつもより少し低い彼の声に恐怖を覚えてしまう。
どうして、分かるの？
誰にも、気付かれたことは無かったのに
…たった一人、従兄を除いては
｢僕は、本当の君に会いたいな。
ありのままの、桐谷Aに会いたい｣
彼の瞳があまりにも美しすぎて、心に緩みが出来てしまった。
｢私は、醜い人間なんです。貴方が知る必要なんてありませんよ｣
ごめんなさい、ごめんなさい―
でも、これで精一杯なのよ―
｢人間なんて皆醜いよ。君だけじゃない｣
そんなことない
あの子は醜くなんて無かった
｢…うんざりするほど、美しい人だっていますよ。貴方だってそうです｣
今分かった、私がこの人を苦手な理由が―
この人は綺麗過ぎるのだ
｢僕も、醜い人間だよ。外面はいいかもしれないけど、中身は君が思っている以上に冷酷だ｣
そうかしら―
冷酷だったら、私に関わろうなんて思わないはず―
｢冷酷だったら、そんな発言しませんよ｣
昔、あの子に言われた気がする。
"Aはさ、Aでいいじゃん"
不二先輩から言われた言葉は、司に言われた言葉とよく似ていた
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エル(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます！そう言ってもらえるととても嬉しいです( ´∀｀)更新頑張ります！ (2016年12月6日 22時) (
レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
Joker(プロフ) - 面白いです、頑張ってください！ (2016年12月6日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - soraさん» ありがとうございます！頑張ります(*≧∀≦*) (2016年11月22日 12時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
sora - 続きが気になります！頑張ってください！ (2016年11月19日 10時) (レス) id: 7628f733c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エル | 作成日時：2016年11月17日 19時
