嘘29 ページ30
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初めて恋した相手はこの人で―
初めて唇を重ねたのもこの人だった―
｢ふふっ、幸福者だな私って｣
彼から身体を離し、クスクスと笑った。
幸福者だって、心からそう思える。
ハナミズキの香りが鼻を掠め、温かい風が私の黒髪を揺らした。その髪にも、花の香りが移っているような気がした。
不二先輩の手が私の黒髪を掬い上げ、そっと口付けた。
そんな彼の姿を、キャンバスに描きたいと思った。
現実の世界にこんな美しい人がいるのかと思うほど、綺麗で儚かった。
｢僕は司くんの代わりには為れない。それは今までと変わらないよ。でも、君の心に空いた穴を埋めてあげれるくらい君のこと幸せにする。寂しさなんて感じないほど、楽しませてみせるよ｣
彼の言葉に、涙が出そうになった。
私はこれから先も司を忘れることは出来ない。
でも、引きずる訳じゃない。
司を思い出しながらも、不二先輩のことを愛し、幸せに生きていけるはずだ。
｢貴方が居てくれるだけで幸せです。これから先も、私を好きでいて欲しい｣
私はひねくれものだ。
きっと、どう頑張ったって可愛い子にはなれない。
それでも、貴方の前だけでは素直になりたい。
｢ずっと、貴方を愛してるわ｣
その言葉に、彼は一瞬目を見開いた。
彼の頬が少し赤くなっている気がした。
｢ふふっ、照れましたか？｣
私は不二先輩の顔を覗きこむ。
彼は少し困ったような顔をしたが、そっと私の額に口付けて笑った。
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エル(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます！そう言ってもらえるととても嬉しいです( ´∀｀)更新頑張ります！ (2016年12月6日 22時) (
レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
Joker(プロフ) - 面白いです、頑張ってください！ (2016年12月6日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - soraさん» ありがとうございます！頑張ります(*≧∀≦*) (2016年11月22日 12時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
sora - 続きが気になります！頑張ってください！ (2016年11月19日 10時) (レス) id: 7628f733c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エル | 作成日時：2016年11月17日 19時
