嘘25 ページ26
.
この世は嘘だらけと思っていた。
でも、それは私の思い込みだったのかもしれない。
永遠なんて存在しない―
愛が永遠なんて、大嘘だ―
ずっと、そう思っていた。
司が生きていた時も、そう思っていた。
"Aは好きな子とかいる？"
いつだったろう、こんなことを聞かれた気がする。
まだ、幼かったくせにね―
"知らない、何それ"
あの頃も、私は相変わらず無愛想だったね。
"ずっと、一緒にいたいと思える人のことだって"
そんな風に言う彼も、きっと恋なんてしてなかったのだ。
ただ、幼心で笑い合っていただけ―
"だから、俺の好きな子はAだよ！"
爽やかな笑みを浮かべる彼が眩しくて、好きと言われたことが照れ臭くて、私は何も言わずに笑っていた。
思えば私は、司に好きと言ったことが無かった。
こんなにも愛しくて大切だったのに、彼に伝えたことなんて一度も無かった。
従兄の言う通り、私は思い込みが激しい上に頑固なんだ。
とっくの昔に気付いていた。
素直な司と、ひねくれたA―
｢…そんな私を、好きだったんでしょ？｣
ねえ、司
"Aはひねくれ者だよな。
でも、良く言えば負けず嫌いだ"
"それ、別に良くないと思うけど"
"お前の長所だよ"
私は、素直な貴方が好きだった。
いや、今も好き―
貴方はもう居ないけど、それでも愛しているのよ―
｢…永遠と、言って良いのかな｣
こうやって、貴方を思い出し慈しむことが出来るのなら、愛は永遠と言えるのかもね―
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エル(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます！そう言ってもらえるととても嬉しいです( ´∀｀)更新頑張ります！ (2016年12月6日 22時) (
レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
Joker(プロフ) - 面白いです、頑張ってください！ (2016年12月6日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - soraさん» ありがとうございます！頑張ります(*≧∀≦*) (2016年11月22日 12時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
sora - 続きが気になります！頑張ってください！ (2016年11月19日 10時) (レス) id: 7628f733c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エル | 作成日時：2016年11月17日 19時
