嘘22 ページ23
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身体が軽く感じる。
回りからの評判は下がっても、私の心は晴れやかだった。
「なんか、スッキリしました」
これからは、罪悪感を抱くこともないだろう。
皆を騙すことへの罪悪感なんて無くなるだろう。
「それは良かった」
でも、それと引き換えに憧れという感情が生まれてしまった。
―彼の優しさが眩しい
自分を殺してまで優しい人になりたいとは思わない。
だから、羨むことはしないと決めた。
―でも、憧れるのは許して欲しい
「貴方は太陽みたいですね」
太陽のように眩しくて、美しい。
太陽は、しおれた花を元気にしてくれる。
この人は、枯れ葉だった私を生き返らせてくれた。
「僕が太陽だったら、ずっと君だけを照らし続けるよ」
まだ好きでいてくれてるのか―
私には、何もないのに―
「干からびてしまいますよ」
でも、貴方のせいで枯れちゃうなら、それはそれで幸せかもね―
「干からびそうになったら、雲に身を隠すよ」
そして、私に水をくれるのね―
「君は僕の大切な花だから、絶対に枯らせたりしないよ」
私より良い女の子はそこら辺に沢山いるのに、どうして彼は、こんなにも私を想ってくれるのだろう―
「不二先輩、貴方は私のどこが好きなんですか?」
本当の私を見ても、彼は好きと言ってくれた。
その度に突き返したけど、何度も好きと言ってくれた。
「不器用なところ」
この人はいつも落ち着いている。
いつ見ても、穏やかで美しい。
「私、不器用ですか?」
どちらかと言えば、器用な方だと思うけどな―
「うん。分かりにくい優しさでしか人に接することが出来ない所とか、他人に無関心な様で何かしら気にかけている所とか、面倒くさいとか言いながらも自ら面倒事引き受けてる所とか」
私、そんなことしたっけ―?
「そんな自分に、全く気付いてない所とか」
自分のことに気付かないなんて、そんな馬鹿げたことがあるかしら―
「君は、自分のことを全然見れてないんだよ」
何故か、頭をガツンと叩かれた様な気持ちになった。
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エル(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです( ´∀`)更新頑張ります! (2016年12月6日 22時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
Joker(プロフ) - 面白いです、頑張ってください! (2016年12月6日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - soraさん» ありがとうございます!頑張ります(*≧∀≦*) (2016年11月22日 12時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
sora - 続きが気になります!頑張ってください! (2016年11月19日 10時) (レス) id: 7628f733c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エル | 作成日時:2016年11月17日 19時