嘘19 ページ20
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苦しかった―
自分が望んだこととはいえ、ずっと苦しかった。
司を演じ続けていると、私の評判は上がっていった。
『美人で性格もいい』
こんな風に言われていること、知っていた。
でも、そう言われる度に胸が痛かった。
笑顔の裏に隠れた私の本性を知らずに、そうやって誉めてくれる周りを嘲笑いつつも、どこかに罪悪感があった。
いや、罪悪感を消すために嘲笑っていたのかもしれない。
―私は哀しいほどに冷酷だから
本当にそうだったか?
そう思い込ませて、嘘に対する言い訳を作っていただけじゃないか?
司のようになりたいと、あれだけ望んでいたはずなのに、まさかこんなにも苦しいなんて―
"いつか壊れてしまうよ"
きっと従兄は、私の悲鳴が聞こえていたのだ。
"Aはさ、Aでいいじゃん"
そう言ってくれたのは誰だっけ?
"お前は優しいから"
そう言ってくれたのは―
"愛してるよ"
「…つかさ」
私が"A"に戻っても、貴方は側にいてくれる―?
「彼はずっと、君を見守ってくれてるよ」
最後に一度だけ―
「さようなら、愛してるよ司―」
数十年後に、会いましょう―
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エル(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです( ´∀`)更新頑張ります! (2016年12月6日 22時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
Joker(プロフ) - 面白いです、頑張ってください! (2016年12月6日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - soraさん» ありがとうございます!頑張ります(*≧∀≦*) (2016年11月22日 12時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
sora - 続きが気になります!頑張ってください! (2016年11月19日 10時) (レス) id: 7628f733c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エル | 作成日時:2016年11月17日 19時