嘘18 ページ19
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ただひたすらあの子だけを思い続けてきた―
嫉妬も確かにあった。
でも、それ以上に好きだった。
｢貴方が見ていた私は、私の愛する人なんです｣
この人の気持ちは嬉しかった。
私の大切な半身を、好きだと言ってくれて嬉しかった。
｢司を好きになってくれてありがとうございます｣
笑っているはずなのに、頬を何かが伝っていく。
あの日、涙は枯れたと思っていた。
でも、この人に好きと言われてから、理由の分からない涙が余りにも多い。
｢僕が好きなのはAだよ｣
その言葉とともに、彼の唇が私の唇と重なった。
｢例え君が嘘つきでも、僕は桐谷Aという人を愛している。僕は司くんの代わりには慣れない。でも、君という人間を愛する人がここにいるってこと、忘れないで｣
再び、彼が私の唇をふさいだ。
まるで何かを流し込んでくるかの如く、長く深いキスだった。
｢…後悔しますよ｣
涙を流しながらも、彼の想いを退けようとする。
この人は、私と一緒にいるべきじゃない。
｢貴方まで嘘に染まってしまう｣
｢それでも構わない｣
逃げようとした私の腕を掴むと、彼はそのまま私を引き寄せ抱き締めた。
｢僕が君を連れ出してあげる｣
―連れ出すなんて無理だよ
｢僕が嘘に染まった時は、何もかもが無くなってるから｣
―何もかもが？
｢前を見てごらん。世界は美しいんだから｣
―それは、知っていたはずなのに
｢前に進むことは、忘れることじゃない。君は今、過去に囚われているだけなんだよ。｣
―それでも良かった
｢この涙は、今までの苦しみだろう？｣
不二先輩の手が私の涙を拭っていく。
彼の言葉は、本当かもしれない―
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エル(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます！そう言ってもらえるととても嬉しいです( ´∀｀)更新頑張ります！ (2016年12月6日 22時) (
レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
Joker(プロフ) - 面白いです、頑張ってください！ (2016年12月6日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - soraさん» ありがとうございます！頑張ります(*≧∀≦*) (2016年11月22日 12時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
sora - 続きが気になります！頑張ってください！ (2016年11月19日 10時) (レス) id: 7628f733c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エル | 作成日時：2016年11月17日 19時
