嘘11 ページ12
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あの日以来、不二先輩とは会っていない。
もともと、屋上以外では話したことが無かったので、私が屋上に行くのをやめれば会うことはないだろう。
「何かA、最近元気ないね」
クラスメイトの一人が、心配そうに私の顔を覗き込んできた。
「そんなことないよ、元気だよ」
いつも通り、にっこりと笑ってそう答えた。
最初から私に元気なんて物は無い。
本当の私はいつだって無気力で、生きていくことですら辛いと思っているのだから―
―どうして、私じゃ無かったんだろう
よく、こんなことを考えている。
あの日、鉄柱の下敷きになったのは私ではなく司だった。
あんなにも輝いていた彼が、どうして死ななければならなかったのか―?
彼の光が眩しすぎて、隣にいるのが苦しく感じて、このまま消えてしまえたらどんなに良いだろうって、何度も何度も思っていた。
だけど、彼の消滅を願ったことは一度も無かった。
きっと、私が消えても輝き続けると思っていた―
いや、実際輝き続けていただろう
でも、神様と言うものは残酷で、私の願いを叶えてくれなかった―
それだけでなく、私から大切なものを奪っていった―
赤く染まった大地を見ながら、これが私の運命なのかと、只々立ち尽くしていた。
―貴方の代わりに生きるよ
司の葬式の時、私は彼にそう約束したのだった。
司の為なら、生きることが出来ると思ったから―
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エル(プロフ) - Jokerさん» ありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです( ´∀`)更新頑張ります! (2016年12月6日 22時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
Joker(プロフ) - 面白いです、頑張ってください! (2016年12月6日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - soraさん» ありがとうございます!頑張ります(*≧∀≦*) (2016年11月22日 12時) (レス) id: 4de2819dbd (このIDを非表示/違反報告)
sora - 続きが気になります!頑張ってください! (2016年11月19日 10時) (レス) id: 7628f733c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エル | 作成日時:2016年11月17日 19時