魔法使いと妖精のほのぼの学園生活【小説】

誰もいない学校【季節野　春菜】 ページ10

「……おはようございます」
　そう言って、私はそっとドアを開ける。何でそっとかというと、先生に内緒だから。
「……ばれてないよね」
　当然教室には誰もおらず、いつもの学校とは全く違う雰囲気だ。
「あー……もう！ 何で私がこんな事しなくちゃいけないのよ……」
　こんな事になっているのは、私の友達、鈴のせい。鈴はいつも笑っていて、誰にでも話しかける。そして、サプライズが好き。昨日の夜、急に鈴が、
「よし！ １年生の教室を飾りつけしよう！」
と、言い出した。鈴が言い出した事だから、鈴がやればいいのに。鈴、
「私、朝絶対起きないから、春菜！ お願い！」
　とか……ふざけんなよって言ったけど、どうしても！ って言われて……断れなかった。
「……うわっ。こんなにたくさん……」
　鈴からもらった袋を開けると、中には大量の飾りが。これ全部１人でやるの？ 正気？
「ハァ……誰か来ないかしら」
　私がそう呟いた時。ガラッ、と教室のドアが開いた。
「えっ、誰！？」

小さい探検【アビー】→←Bonjour【アビー】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す