魔法使いと妖精のほのぼの学園生活【小説】

練習の最中に【モニカ・フィロレア】 ページ12

「さ、次の練習を始めるわよ！」

新学期から初めての練習が出来る時間。
気持ちも昂り、パンっと手を叩いてそう言うと、笑顔でその場にいた全員は「はいっ！」と頷いた。
んー、いい部活仲間を持ったものだわ！
そう思っていると、後輩の一人が質問して来た。

「あ、でも先輩。次の練習と言っても、何するんですか…？」
「あー、そうね…」
「まずは発声練習かな。V字にバランスを取って」

言葉が詰まっていた私の代わりにレルがそう言うと、その場にいた全員は言う通りにし始める。

「それで、『あめんぼあかいなあいうえお』を七回。噛まずに全部言えたら休憩だね」
「分かりました！」

全員で口を揃えて、その言葉を言い始める。
すると、六回目あたりで近くで女の子の笑い声がした。

「ふ、ふふ。」
「！」

咄嗟にその方向を振り返る。
レルも気付いたのか、同じ行動をしていた。

「そこにいるのは誰だ！」

大声で叫ぶと、足音がして、段々遠ざかっていく。

「…逃げられたわね」
「大丈夫だよ。ただの発生練習だから、聞かれて困るものでもないし」
「それもそうね…」

レルの言葉に頷く。
戸惑う仲間に、「もう休憩でいいわよ。みんなよく頑張ったしね」と言う。
すると、仲間達は渋々休憩しに行った。

「ふう…そろそろ次の舞台も近いし、本格的に準備しないとね…」
「そうだね。モニカは何の役だっけ？」
「ジュリエットよ。レルはロミオでしょう？」
「ああ。お互い頑張ろうね」

拳をお互いにカツンとぶつける。
微笑んだ後、レルは「じゃあモニカ、行こうか」と言って休憩しに行く。
私は「ええ、もちろんよ！」と頷いてレルの後をついて行った。

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