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それから ソウタくんとレオくんもそれぞれの時間で早起きしてきて、Be Freeチーム数名での構成確認が行えた。昨日教えてもらったところは完璧に…って、その場にいたみんな 口には出さなかったが気持ちは同じだったと思う。
キリのいいところで練習を切り上げて、食堂へと向かう道すがら、ちょうどMove Onチームの部屋から舜斗とランくんが顔を出した。
「おっ、メシ?」
前髪で丁髷を作って、こちらを見やるランくん。うんと頷くと、「俺も行こっと」とシューズの裏を雑巾で拭いている。
「テンくんがさぁ、早起きでさぁ。しかも綺麗好きでさぁ、見てこれ」
そう言って横に並んだ舜斗が、タブレットの画面を見せてきた。そこには綺麗にビシッと並べられた靴達。
「わー綺麗。」
「スリッパまで並べてんだよ」
どうやら一昨日の部屋替えで同室になったテンくんに、舜斗は少しウンザリしているらしい。私に実害がないので適当に「いいじゃん」と返したら 眉間の皺が深くなった。……てか練習用のタブレットで何撮ってんの。
「貸して」
「あ?」
「ちょっと貸して」
怪訝そうな顔をする舜斗の手からタブレットを受け取り、カメラを起動する。内カメラに切り替えるマークをタップしてから、自分の視線より少し上にタブレットを掲げた。
パシャ
「おい」
「あれ、上手く撮れたかな」
スマホより画面が大きいから勝手が違う。
写真アプリを開いて、今さっき撮った画像を見てみるとそこには、真顔の私と 見事にガンを飛ばす舜斗の顔が。
「……ガラ悪」
「お前のこと言ってんだよね?」
「あー!何してんの?俺も入れて」
写真の顔を見比べて またも言い合いが始まりそうな私と舜斗の間に割り込むように、マナトくんが肩を組んできた。「撮りますよ」両手でもう一度タブレットを掲げると、マナトくんだけじゃなくランくん、レオくん、ソウタくんや、部屋から飛び出してきたテンくんも画角に収まろうとしてきて。
「あっ、待って…入らない」
「貸してみ」
後ろから伸びてきたレオくんの腕が私の腰に周り、反対の手でタブレットを取って、少し遠くなった画面の中にみんなが収まった。
「いくよー」
パシャ
(……スマホ返してもらったら送ろっと)
もう一度画像を見る。
そこには、ほんの気持ちだけ口角を上げた私と、満面の笑みを浮かべるみんなが写っていた。
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rinngo(プロフ) - 読んでて茨木市が出てて、近所で驚きました。みんな口調似てるしいつも日高さんの言葉が深く刺さってきます!まじでこの小説だ好きです! (12月1日 12時) (レス) @page22 id: 589479bc12 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 夢萌さん» こんにちは!いつもありがとうございます(^^) めちゃめちゃ嬉しい言葉!すっごい励みになります♡ 思いの外プライベートが忙しくなってしまって、マイペース更新ですが…ぜひこれからも楽しんでいっていただければと思います! (2022年3月30日 0時) (レス) id: b25d4639e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢萌(プロフ) - 更新ありがとうございます!!お気に入りにNewの文字があるだけでいつもよりわくわくとした一日になるほどにこの小説に惚れています…笑もうファンといってもいいほどにこの小説が大好きです!作者様のペースでこれからも更新頑張って頂きたいです^っ ̫ <^ (2022年3月29日 18時) (レス) @page19 id: e4933e1f9f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - なあさん» なあさんこんにちは!楽しんでいただけて嬉しいです(^^) ちょっとずつマイペース更新になってしまっていますが汗 これからもよろしくお願いします! (2022年3月28日 22時) (レス) id: b25d4639e4 (このIDを非表示/違反報告)
なあ(プロフ) - 思わず笑ってしまう面白い場面がちょこちょこあって、楽しんで読んでおります!みんなとてもかわいいです、素敵なお話いつもありがとうございます! (2022年3月28日 17時) (レス) id: b86f0e9c1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2022年3月21日 17時