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あんだけOguriさんOguriさん言ってたのに、いざBe Freeの担当が彼と発表されたときのミヅキの顔色は、普段と全然変わらなかった。むしろ前に座ってたルイの方がはしゃいでいて、ソウタくんに「やべーなお前」と言われている。
「ルイがヤバくなる気持ちわかる」
「なんで?」
「コレオ最高…生きててよかった……」
「そう…。俺は覚えれるか心配」
練習室に移動してレッスンを待つまでの間、みんな待ちきれないのか鏡の前で立ったままソワソワしてて。ミヅキとジュノンくんが後ろでそんなやり取りをしてた。ジュノンくんに思わずタメ口きいてるあたり、かなり感激してるんだろう。
俺も振り返って「かましてやろうぜ」と言ったらミヅキから真顔のガッツポーズが出た。
「「「「よろしくお願いします」」」」
Oguriさんが登場して、俺らは一様に会釈しながら挨拶をした。その中でもミヅキは一段と深々とお辞儀をしてて、「最敬礼!」とレオくんに笑われている。
頭が膝につくんじゃないかってほどのお辞儀が、果たして最敬礼なのかは定かじゃない。レオくんの事だし、言いたいだけで意味が間違ってる可能性は十分にある。
「なんか凄いね。緊張してるかもだけど、リラックスしよ」
「はい!」
Oguriさんも自分に向けられる熱視線に気付いたんだろう。ミヅキのちょっと挙動不審にも見える様子に、笑いながら声をかけた。
いつもより1トーン明るい返事。「ミヅキどうしたの?」ソウタくんがこそっと俺に聞く。
「ファンらしい」
「まじで?」
ソウタくんが目をまん丸にする。わかるよ、怪物ミヅキに人間らしいところがあって驚いてるんでしょ。え?そこまで言ってない?ああそうか。
そうして「ウォーミングアップがてら、共通の振りからやっていこうと思います」と、Oguriさんのレッスンが始まった。
俺としては、“世界的ダンサーに教えてもらえるなんて最高”と余裕持って思えるのなんて、ここまでだった気がする。
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rinngo(プロフ) - 読んでて茨木市が出てて、近所で驚きました。みんな口調似てるしいつも日高さんの言葉が深く刺さってきます!まじでこの小説だ好きです! (12月1日 12時) (レス) @page22 id: 589479bc12 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 夢萌さん» こんにちは!いつもありがとうございます(^^) めちゃめちゃ嬉しい言葉!すっごい励みになります♡ 思いの外プライベートが忙しくなってしまって、マイペース更新ですが…ぜひこれからも楽しんでいっていただければと思います! (2022年3月30日 0時) (レス) id: b25d4639e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢萌(プロフ) - 更新ありがとうございます!!お気に入りにNewの文字があるだけでいつもよりわくわくとした一日になるほどにこの小説に惚れています…笑もうファンといってもいいほどにこの小説が大好きです!作者様のペースでこれからも更新頑張って頂きたいです^っ ̫ <^ (2022年3月29日 18時) (レス) @page19 id: e4933e1f9f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - なあさん» なあさんこんにちは!楽しんでいただけて嬉しいです(^^) ちょっとずつマイペース更新になってしまっていますが汗 これからもよろしくお願いします! (2022年3月28日 22時) (レス) id: b25d4639e4 (このIDを非表示/違反報告)
なあ(プロフ) - 思わず笑ってしまう面白い場面がちょこちょこあって、楽しんで読んでおります!みんなとてもかわいいです、素敵なお話いつもありがとうございます! (2022年3月28日 17時) (レス) id: b86f0e9c1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2022年3月21日 17時