108 : side M ページ13
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「っし、行くか」
少しだけアキレス腱を伸ばして、ミヅキに声をかけて走り出す。コースは前まで使ってた道より少し遠回りの、歩道の幅が広めになっている道。
ミヅキがコケた日の翌朝に、適当に走り回って1番安全そうなところを見つけておいた。
ミヅキは山中湖を気に入ってるっぽいから、一応最終のゴール地点は変わらず 距離だけが数百メートル増えたくらい。毎日のランニングで体力はついてきてたし、そろそろ距離を伸ばしたいと思ってたところだったから丁度いい。
俺の真意を汲んだかわからんけど、昨日初めてそのコースを走って、ミヅキは意外そうな声色で「ありがとうございます」と言ってきた。
(俺だってそんくらいしますよ)
女が目の前であんな派手に怪我したら普通にビビる。
彼女だったらもう絶対辞めさせてルームランナー買う。
…ミヅキは言うこと聞いてくれないんだろうけど。
今日は雨が降るんじゃないかってくらいの曇天で、山中湖越しの富士山には分厚い雲がかかって、頂上は全く見えない。日差しも全くなくて、走っても身体が温まるのに時間がかかった。
「今日振り入れだな」
「はい。私Oguriさんのダンス大好きなんで楽しみです」
ミヅキがそんな事を言うなんて珍しくて 汗を拭う手を止めて横を見たら、大好きという割に顔は微塵も嬉しそうじゃない。
でも言ってることは嘘じゃないんだろう。感情の起伏が少なくて忘れちゃうけど、こいつも好き嫌いとかあるただの人間だ。
“OguriさんがMove On担当だったらどうすんの？”っていう無神経で余計な質問が一瞬だけ湧き出て、すぐに消した。俺は別にこいつと喧嘩したいわけじゃない。
「じゃあ今回かなり気合入ってる？」
「いつも入ってます、それは」
「ははっ、さすが」
ミヅキは涼しい顔して案外やるやつだと思う。
毎日毎日、合宿メンバーの誰よりも1番早く起きてランニングからの基礎練を怠らないし、夜もほっとけば毎日1番最後まで練習しているらしい。
そんな姿を周りは“練習の鬼”と揶揄しながら、大きな刺激を受けているのは間違いなくて。合宿1次のAチームが他のチームに負けまいと自主練かましまくってたのは、少なからずミヅキに影響されている。
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rinngo(プロフ) - 読んでて茨木市が出てて、近所で驚きました。みんな口調似てるしいつも日高さんの言葉が深く刺さってきます！まじでこの小説だ好きです！ (12月1日 12時) (
レス) @page22 id: 589479bc12 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 夢萌さん» こんにちは！いつもありがとうございます(^^) めちゃめちゃ嬉しい言葉！すっごい励みになります♡ 思いの外プライベートが忙しくなってしまって、マイペース更新ですが…ぜひこれからも楽しんでいっていただければと思います！ (2022年3月30日 0時) (レス) id: b25d4639e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢萌(プロフ) - 更新ありがとうございます！！お気に入りにNewの文字があるだけでいつもよりわくわくとした一日になるほどにこの小説に惚れています…笑もうファンといってもいいほどにこの小説が大好きです！作者様のペースでこれからも更新頑張って頂きたいです^っ ̫ <^ (2022年3月29日 18時) (レス) @page19 id: e4933e1f9f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - なあさん» なあさんこんにちは！楽しんでいただけて嬉しいです(^^) ちょっとずつマイペース更新になってしまっていますが汗 これからもよろしくお願いします！ (2022年3月28日 22時) (レス) id: b25d4639e4 (このIDを非表示/違反報告)
なあ(プロフ) - 思わず笑ってしまう面白い場面がちょこちょこあって、楽しんで読んでおります！みんなとてもかわいいです、素敵なお話いつもありがとうございます！ (2022年3月28日 17時) (レス) id: b86f0e9c1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2022年3月21日 17時
