106 ページ11
.
どういう流れでテンくんが勘違いしてるかは聞きたくもないが、舜斗の言う通りコンビを組んだ覚えはないので、ゆっくりと首を横に振る。
「違いますよ」
「えっ……」
私と舜斗の反応に、テンくんが一瞬ソウタくんに視線を向けたのを見逃さなかった。そういえばこの2人……いや、マナトくんも入れて3人はつい最近まで同じ部屋だったな。
「ソウタくん」
「エッ!ナニ?!」
素っ頓狂な声を上げるソウタくん。
僕何も知りません宇宙人だから!みたいな顔をしても無駄である。
「何ですか?“ズッ友2コ1BFF”コンビって。…全部微妙に古いし……」
「えっ!BFFって死語なの?!」
「?、“死語”が死語ですよ」
ソウタくんが隣でハンバーグを頬張っていたルイの肩をゆする。リスみたいなほっぺのまま「今は死語とか言わない」と答えて、ソウタくん、その斜め前のマナトくんに衝撃を与えた。
その話は今どうでもよくて。
「コンビ名つけるならもっとマシなやつにしてよ」
「………」
このタメ口である。
何勝手にコンビにしてるんですか とソウタくんに言おうとしたら、それより先に舜斗がそんな事を言って。2人の間には人4人分くらいのまあまあな距離があるから、自然と声が大きくなる訳で。
「え、誰がコンビ組むの?」
聞きつけたレオくんが話に入ってきた瞬間、(終わった…)と感じたのは言うまでもない。今まで見守ってたショウタくんから事情を聞いたレオくんが、途端に楽しそうな表情を見せる。
うわっ、今は見たくなかったな!その笑顔!
「とびきりダサい名前つけた人が優勝にしようよ!」
「始まる前からレオの勝ち確定じゃん」
面白がってるマナトくん以下お兄さん組の様子に、私はジト目で発端となった舜斗を見やる。
「オモチャにされてる」
「いじられてんのは俺じゃなくてお前だよ」
「なんで私だけなのよ」
「隙だらけだから」
思わず「は?」と返した私に あっかんべーをする舜斗。
何言ってるのこの人。
意味不明だし、全然答えになってない気がするのは私だけ?
.
180人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rinngo(プロフ) - 読んでて茨木市が出てて、近所で驚きました。みんな口調似てるしいつも日高さんの言葉が深く刺さってきます!まじでこの小説だ好きです! (12月1日 12時) (レス) @page22 id: 589479bc12 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 夢萌さん» こんにちは!いつもありがとうございます(^^) めちゃめちゃ嬉しい言葉!すっごい励みになります♡ 思いの外プライベートが忙しくなってしまって、マイペース更新ですが…ぜひこれからも楽しんでいっていただければと思います! (2022年3月30日 0時) (レス) id: b25d4639e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢萌(プロフ) - 更新ありがとうございます!!お気に入りにNewの文字があるだけでいつもよりわくわくとした一日になるほどにこの小説に惚れています…笑もうファンといってもいいほどにこの小説が大好きです!作者様のペースでこれからも更新頑張って頂きたいです^っ ̫ <^ (2022年3月29日 18時) (レス) @page19 id: e4933e1f9f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - なあさん» なあさんこんにちは!楽しんでいただけて嬉しいです(^^) ちょっとずつマイペース更新になってしまっていますが汗 これからもよろしくお願いします! (2022年3月28日 22時) (レス) id: b25d4639e4 (このIDを非表示/違反報告)
なあ(プロフ) - 思わず笑ってしまう面白い場面がちょこちょこあって、楽しんで読んでおります!みんなとてもかわいいです、素敵なお話いつもありがとうございます! (2022年3月28日 17時) (レス) id: b86f0e9c1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白 | 作成日時:2022年3月21日 17時