32⇒究極の『原石』 ページ33
―――今度こそ、私は一人ぼっちだ。
存在価値がない、と言われた今。
そう結論付けたAは、ただただ頭の痛みに耐えていた。
「…そうだ、君に実験の真の目的を教えてなかったねぇ」
そんな中、ある程度の作業を終えてきたのか、先程の初老の研究者が戻って来た。
…そう言えばそんなこと言ってたっけ。
頭の片隅でAは思う。
――その刹那、
「………!!?」
一瞬、ほんの一瞬だけ激痛が走ったかと思うと、ゴオッ!と凄まじい音とともに地面が揺れる。
「あれを見てごらん?」
そう言われて、戸惑いつつも研究者が指差した方向を見る。
「あれこそが、我々が求めていたもの。オリジナルである君のマイナスの脳波と、AIM拡散力場を利用して発現させた究極の『原石』…
そこにいたのは宙に浮く、4m程ある白い人の姿をした物体。
その容姿は、Aそのものだった。
「強制解放にはこれから破壊活動を行ってもらう。究極の『原石』のデータを取るためにねぇ…」
研究者の言葉にAは目を見開き、彼の胸ぐらを掴む。
「破壊活動…!?関係のない一般人を巻き込むつもり!?」
「ならば君が止めるかね?究極の『原石』を倒すことが出来たら、君が究極の『原石』になれる。そうなれば、君の存在がもう一度必要とされるが…どうする?」
一般人を救うために倒すか、自分が究極の『原石』になるために倒すか…。
「…分かったわ」
しばらくして考えを纏めたのか、Aははっきりと宣言した。
「引き受けるわよ、その提案を…!」
*****
ゴウッ!と強制解放が背中から触手のようなものを伸ばす。
Aはひたすらそれを避け続けていた。
(まずはこいつを移動させなきゃ…。じゃないと存分に戦えない!)
能力を使わずにヒュンッ、と触手を避けながら、強制解放を誘導する。
「…よしっ、」
この調子だったら順調にいく。
Aはそう確信していたが…、
(なんで…!なんでここに人がいるのよ!?)
破壊音や騒ぎを聞き付けたのか、記者とカメラマンらしき人物が視界の隅に入った。
(チッ!他の場所はっ、…!)
すぐさまAが方向転換しようと体を曲げる。
しかし、
「!!」
強制解放の瞳は、すでに彼らをとらえていた。
∽∽∽∽∽
次回は一方通行の登場です!
強制解放⇒白いAさんと想像してください(*^^*)
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ポン酢醤油(プロフ) - μさん» 大丈夫です!やり方は調べてやりますので心配無用です!送り方が分かり次第送ります! (2016年5月15日 23時) (レス) id: 80dffa9047 (このIDを非表示/違反報告)
μ(プロフ) - ポン酢醤油さん» あと画像の送り方については…すみません、私じゃ上手く説明出来ないかと思うので占ツク内で検索してみてください…その方が分かりやすいと思いますので…。お役に立てず申し訳ございませんでしたm(__)m (2016年5月15日 23時) (レス) id: aca375c09c (このIDを非表示/違反報告)
μ(プロフ) - ポン酢醤油さん» 今更返信致します、申し訳ないです…!まずはコメントありがとうございます。私の書く一方通行が好きだと言って頂けて感謝感激です。あと奏瀬ちゃんのイメ画もありがとうございます! (2016年5月15日 22時) (レス) id: aca375c09c (このIDを非表示/違反報告)
ポン酢醤油(プロフ) - 最近読み始めて追いついたところです!μさんの書く一方通行かっこ良くてすきです。あと,私も禁書目録で作品書いてるってのと奏瀬ちゃんのイメ画書いてみたのですがまだ占ツク初心者でどう送ればいいのか分からないです。すみません教えてください(._.`) (2016年5月9日 6時) (レス) id: da413d3d63 (このIDを非表示/違反報告)
μ(プロフ) - 黒狼さん» うわぁぁコメントありがとうございます!一方通行書いてるんですか!分かりました、読ませていただきますね(∩´∀`)∩ (2015年7月28日 0時) (レス) id: aca375c09c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:μ | 作成日時:2014年5月18日 19時