生徒会室に二人きり ページ19
生徒会室にキーボードの音と印刷機の音だけが響く
チャイムが鳴るが二人には何の妨げにもならないようでただ黙々と作業をこなす
やがて印刷機の音が止まる
「先輩」
「終わったん？」
「はい、ピックアップしてみました・・・先輩の推薦したい人が入ってるかはわかりませんが・・・」
そう言って紙の束を中間へと手渡すA
「じゃあそっち座って話すか」
そう言って中間が指さすのは応接用のソファと低めのテーブルがある方だった
「はい」
Aと中間はそこに移動するとAが印刷したデータを机に置きながら一人一人検討していった
二人の話し合いは時折意見の違いはあれど実にスムーズに進んでいった
一時間としないうちに風紀委員候補を十二名にまで絞り込んだ
「別に何人とは言われてへんねんやろ？」
「ええ」
「ほならこれでよくないか」
「でも高等部より人数が多いので」
「まあそこは年齢も違うし一緒やなくてもええんやない？」
「でも後々のごたごたを少なくするためにもできるだけそろえたいんですけど」
「なるほどなそうゆう考えも一理あるな・・・よしっ今から高等部の生徒会室行こうや」
「そうですね、その方がいいですね」
そういって選抜したメンバーのデータを持ち席を立つ二人、Aは選考漏れした生徒のデータをシュレッダーにかける
「ほな、いこか」
作業が終わったのを見計らい中間がAに声をかける
「はい」
二人は生徒会室を出ると中等部の校舎をでて高等部の校舎へと入る、中等部生が高等部にいるのが変なのか時折すれ違う生徒がジロジロと自分の方を見てくるのに気が付いたAは仲間に声をかける
「中等部生が高等部の校舎にいるのってやっぱりおかしいんですかね？」
「いや、俺はよく出入りするからそんな珍しくもないと思うんやけど」
「その割にはめちゃめちゃ見られるんですけど」
「あーまあそれは七星が珍しいんやろ」
「そうなんですか？」
「クラスＸは話題になっとるで、高等部でも、もちろん中等部でもな」
「ああ・・・なるほど」
つまり自分が物珍しいのだとAは理解して特に視線は気にすることもなく歩き生徒会室へとつくと中間がノックをし扉を開く
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作者名：霧島るな | 作成日時：2019年3月31日 21時
