真昼の喧噪 ページ16
街の散策をしていると平日の昼間ということもあり幼い子を連れた母親の姿が目に映る
Aはいつのまにか昔のことを思い出していた
あれは自分がまだ父と母と一緒に過ごしていたころ昼下がりの公園・・・自分と同い年くらいの子供たちの笑い声がする
微笑ましい空気そんな中何かの破裂音のような音がするとその空気は一変する
笑い声や子供たちの笑顔は消え、泣き声と叫び声、恐怖に染まった顔があたりに広がり始める。そんな中自分の両親はほかの家族を避難させている。
テロだ・・・そんなことを頭で考えながらAも子供たちの避難に協力する、自分の両親の仕事に誇りを持っているAには尊敬している両親に認められいつか同じ仕事をするのが夢であった、だからこそ事件が起きたときに自分の安全を優先してくれなくてもそれはAにとって悲しむことではなかった、むしろ一人の魔導士として認められている、そんな誇らしさもあった
そんな風に子供らしくなかったのがいけなかったのかな・・・・・・そんな風に考えてもいたAは頭を振り現実へと戻ってきた
真昼なのに何やら喧嘩のような声がする
路地裏で聞こえるその声の中に女性の声が混じっていたためAは路地裏を覗き込んだところ、複数の男性に囲まれているこれまた美人なお姉さんがいた
「ちょっとー何してるんですか？」
「あん？」
Aが声をかけるとガラの悪そうな男が振り向きAの事を品定めするように見る
「嬢ちゃんも一緒に遊ばねえ？」
にやにやと悪いながらAの肩に手を触れる一人の男
「なあ？」
「結構です」
そういった瞬間Aの身体から高濃度の魔力が放出される
「おまっ・・・」
「クソッこいつなんて濃度の魔力出すんだ」
男たちがAの魔力に驚いている間に中心になっていた女性の手を握り走り出したA
「レイ・ウィング」
「ひゃあああああああああああああああああああ」
Aが魔法で空を飛び始めると先ほどまで騒ぎの中心にいた女性は叫び声をあげる
「すいません、安全なとこで降ろしますから」
Aは女性を落ち着かせるように言う
「は・・・はい」
女性も多少は落ち着いたようで
しばらく空中散歩を楽しんだところでとあるビルの屋上に着地したのであった
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作者名：霧島るな | 作成日時：2019年3月31日 21時
