Magic hour【Masaki.A】 (ページ10)

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A「翔くん、チャイム鳴ったよ？」

翔「あ、ありがとう。

たぶんピザ屋だと思う、出前頼んだから。
行ってくる」

ピザ屋…？

すぐに相葉さんの顔が浮かんだ。

翔「Aごめん、ちょっと手伝って～」

A「あ、うん…」

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翔くんに駆け寄ろうとしていた足が止まった。

翔「A…？」

A「相葉さ…」

翔「Aっ！」

A「あっ…ごめん…

持ってくんだよね」

翔「いや、重いし熱いから…お金払っといてくれる？」

A「わかった」

翔くんがピザを抱えてリビングに歩いていって、私はいつも冷たい相葉さんの手からおつりをもらった。

雅紀「おひさしぶりです。

元気そうで何よりです」

A「ありがとうございます。

相葉さんは…？」

雅紀「俺？元気ですよ！

…彼氏さんですか？」

A「ちがっ…ちがいます…！

私が好きなのは…」

雅紀「好きなのは…？」

A「私が好きなのは

相葉さん…

あなたです…っ！」

雅紀「え…？」

ぎゅっと抱きついた。

私の熱が伝わりすように…って、強く。

A「はやく…私をここから連れ出してください…！」

雅紀「えっと…」

玄関先にかかっていたコートとカバンを掴んで、相葉さんの腕を引っ張って翔くんの家を飛び出した。

扉が閉まる間際、翔くんの呼び止める声が聞こえた。

ごめんなさい、翔くん…

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誰もいない公園で相葉さんの腕を放して我に返った。

ただの客にいきなり告白されて連れてかれるって…

私、何勝手なことしてるんだろう。

A「あの、突然すみませんでした！

忘れ…」

雅紀「コート、着てください。

寒くて震えてます」

私の腕からコートを取って羽織らせてくれた。

A「ありがとうございま…ひゃっ

相葉さん…？」

相葉さんの腕が回って、後ろから抱きしめられていた。

雅紀「俺は…正社員になる資格なんてありません。

お客様のあなたを、好きになってしまったんですから」

A「え…？」

雅紀「好きだよ…A」

A「っ私も…好きです」

胸に飛び込んだ私を受け止めてくれて、熱が伝わってくる。

雅紀「俺と…付き合ってください」

返事を待たずに、冷たい唇が重なった。

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□fin□