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目が覚めたときにまず見えたのは、見知らぬ天井だった。どうやら今まで、僕はベッドで寝ていたようだった。
とりあえず部屋の中を確認しよう____そう右に視線を移した時、一人の女性の姿が目に入った。
「___あら、ようやくお目覚めかしら」
「…っ、どういうこと…？」
「気が動転しているのね…まあ無理はないでしょう」
美しい金髪。鼻は高く、唇は薄桃色に艶めいていた。一言で言ってしまえば、美しい女性という感じだ。
そして彼女の容姿で一番目につくのが、左目の眼帯だった。
その眼帯は恐らく革で作られたもので、彼女の隠されていない方の右目の色と同じラベンダー色の宝石が埋め込まれていた。
「あのッ…ここは一体？」
「私の家よ。私はね、突然空から落っこちてきた貴方を受け止めてあげたの。だけど気を失っているみたいだからとりあえずここまで連れてきたわけ。
いやぁ、目覚めなかったらどうしようかと焦ったわよ」
多分嘘だ。だって部屋の奥に見えるテーブルの上には、食べかけのクッキーが置いてあるのだから。
「まあこれで一安心ね。じゃあお家まで送ってあげるから、住所を教えてくれる？いきなり空から落っこちてきたんじゃ、どうせ帰り道も分からないのでしょうし」
「………え」
「いやだから、送ってあげるから住所を教えなさいと…「わからないんです」
「…うーんと」
「僕の住所、わからないんです。というか、家族のこともわからなくて…」
ようやく気づいた。僕は、僕に関する記憶を何一つ持っていないのだと。
彼女は僕が空から落ちてきたと言っていたが、それが本当なのか僕にはわからない。もしそれが本当だったとしても、ではなぜ空から落っこちてきたのかと言われれば答えられない。
…というような内容を、僕は彼女に話した。
「ふーん、なるほどね」
彼女は、何故かその事実をすんなり受け入れた。
「簡単に言うわよ。貴方には記憶がない」
「いやそれは知って「正しく言えば…
貴方は記憶を失っているの」
「…は」
「それも、《何者かに奪われて》ね」
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葛 - Kirariさん» 感想ありがとうございますっっ！！！応援に応えられるように執筆がんばります！！！！！ (2021年2月24日 17時) (
レス) id: 882ef10c58 (このIDを非表示/違反報告)
Kirari - 人物の一人一人が、みんな個性的で、すごくおもしろかったです！！最初の主人公くんが落ちてきた、ってところも好きです！！これからもがんばってください！応援しています！ (2021年2月23日 13時) (レス) id: 659499b88d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葛 | 作成日時：2021年2月10日 21時
