快楽という仕事 ページ4
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「役得」その言葉を口にしながら私はニッコリと微笑んだ
その笑みに隣の男は怪訝そうで、否定的な目を向けてくる。
「あら、重ねて言わせて貰うけれど私は“仕事”をしたのよ？」
「仕事」という言葉を唱えるときに唇に指先を添わせた。
今いる渡り廊下のその先、突き当りの階段を上った更に先。
４階の部屋に今、安静にするように…言われずとも今動けないであろう彼。
抵抗できないのをいいことに
やらなければ死んでしまう今の状況に便乗するように。
それでいて、ちゃんと愛しむ様に。
「別に止めろと言われればやらない選択肢だってあった。
流石に≪大いなる厄災≫とじゃれ合った直後に北の双子と貴方に叱られたくないし。
でも、今回はむしろ北の双子にやるように言われた。
だから、喜んで買って出ただけよ？
貴方が代わりに魔力の譲渡、延命措置ができるのなら任せたけど…。
こればかりは私の方が向いていた。得意だった。頼まれた。
大義名分のもとに、私は与えられた“仕事”に“快楽”を見出しただけ。
ま、等価交換とでも思ってくれればいいの。
命の延命の等価として私はご褒美に唇を拝借した。それだけでしょ？」
「……。」
かの有名な「最強の魔法使い」様も
蓋を開けてみれば、死にかけの魔法使いを助けるような
どうにも「情」を捨てられない、そんな男だった。
寡黙な彼の今の沈黙には何が込められているのか知らないが
おそらく呆れや軽蔑など良いものではない気がする。
一方で敵意も否定もその目にはない
ただただ相いれない何かとしてこちらを見ている。
その視線に少しばかり困ってしまい
肩をすくめながら苦笑いを返して、また壁に体を預けて視線を逸らした。
「他にも、やり様はあるだろう。」
突然喋り出したオズに、思わずきょとん、と表情を固めてしまう。
そして数秒の空白の跡に、思わずふはっと空気を押し出すように吹き出した。
…当然、私のその反応に男は眉間にシワを寄せたが。
「え、えぇ…、ふふ。そうね。
確かに私がキスが好き、というのが１番の理由ではあるけど。
それ以外にも真面目な理由をあげるなら…
経口摂取の方が外気に当てられないから
私が変化させた繊細な状態の魔力が他の因子に影響を受けない分
限りなく相手の魔力に近づけたそれが悪性の変異を起こしにくいから、かな」
魔法使いは先天的な魔力以外はマナ石を食することで自分のものにする。
それは力の増大以外に、欠落分の補正…応急処置にもなる。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 雪女さん» コメントありがとうございます。その辺がお好きなのですね…今後の描写の参考にしてみます！ (2022年12月19日 20時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます。シャイロックとオーエン、双子との絡みが楽しみです🙂 (2022年12月18日 22時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - Senaさん» 長らくそのままにしていたコチラの作品に反応頂きありがとうございます、コメントがあるとやる気が出るので嬉しいです…！2章が良すぎて出戻り夢小説ですがちまちま更新するのでお待ちいただけますと幸いです！！ (2022年5月19日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
Sena(プロフ) - わ、わ、久しぶりの更新ありがとうございます！ (2022年5月19日 6時) (レス) id: 61121e16fc (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - �盒兇気�» 感想コメントありがとうございます！こちらのババア(見た目詐欺)夢主は自由人として書いておりますので、内面を気に入っていただけたようで嬉しいです。自分のペースで、ではありますが頑張ります！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2021年8月12日 18時
