祖国の空気こそ養生の糧となり ページ28
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ベッドにダイブして、そのまま眠くなってくる。
うとうと…うつらうつらと、意識が曇りがかってくるが
女としての矜持が、美しさへの高い意識が罪悪感のようなものを駆り立てる。
『んぁ…、メイク…服、髪ぃ……。』
ベッドから一歩も動くことなく転がったハイヒールをぼんやり見つめながら
指を振るい、棚にいくつも並んだおしゃれな瓶を呼び寄せコットンに数滴浸す。
それで顔を優しく拭い、メイクを落とし
もう一方の手をもう一振りすれば、お気に入りのドレスが寝間着に変わる。
メイクを落としたコットンを捨て、先程の瓶と入れ替わりで
別の…霧吹きのタイプの瓶を引き寄せ、軽く振るってから顔に吹きかけた。
髪留めをスルリと引き抜いて手繰り寄せた櫛で梳いてから
また、上半身から全ての力が抜けたようにばったりとベッドに倒れこむ。
寝巻と言ってもワンピースの形をしており
剝き出しになった脚がまだベッドサイドに投げ出されたまま。
よじ登るように、水中を泳ぐように、なんとか脚をベッドに乗せた。
全身をベッドに預けて、深く息を吐くだけで逃げかけた睡魔は帰ってきた。
北の国と言う生まれにより
人に弱みや情けない部分を見せることに抵抗はある。
そもそもここまで満身創痍になったのは何百年ぶりだろうか？
血生臭い生き方とはあまり縁が無いから魔法で疲れ切ったのは片手もない。
最後にこうなったのは…
たぶん、どっかの魔法使いと飲み比べで二夜を明かした時以来か。
２００年ぶりくらいの自宅での時間ゆえか
目の前の…今夜の戦いより何百年前の出来事の方が思い出しやすかった。
そして、そうこうしている間に微睡に溺れた。
＊＊＊
そして、寝すぎた。
初めての枯渇状態とは言え、２日も寝るか？
あーもう。最悪。
後ろの髪に外ハネの癖がついたし
マナエリアでもう少し魔力を回復させようと思ってたのに。
パキポキと関節から音が聞こえ軋む
寝すぎ？働き過ぎ？もう原因も分からない。…歳のせいなんてことはない、ハズ。
着替えて、メイクして、魔法のヘアスプレーを使って無理矢理髪を整えた。
外行の格好をバッチリ決め込んでから
正面玄関を開け放てば、魔法で調整された心地よい風が頬を撫でた。
帰って来たばかりの時は疲れ果て、この空気を味わう余裕もなかったが
深く呼吸をしたら、北特有の鋭さを孕んだ自然の空気がとても心地よく
肺を満たした空気が体に染み渡り、体の内側が整うようだ。
やはり、生まれ故郷と言うのは私の意思なく
生み落とされた、その瞬間から、切っても切り離せぬものなのだと痛感した。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 雪女さん» コメントありがとうございます。その辺がお好きなのですね…今後の描写の参考にしてみます！ (2022年12月19日 20時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます。シャイロックとオーエン、双子との絡みが楽しみです🙂 (2022年12月18日 22時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - Senaさん» 長らくそのままにしていたコチラの作品に反応頂きありがとうございます、コメントがあるとやる気が出るので嬉しいです…！2章が良すぎて出戻り夢小説ですがちまちま更新するのでお待ちいただけますと幸いです！！ (2022年5月19日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
Sena(プロフ) - わ、わ、久しぶりの更新ありがとうございます！ (2022年5月19日 6時) (レス) id: 61121e16fc (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - �盒兇気�» 感想コメントありがとうございます！こちらのババア(見た目詐欺)夢主は自由人として書いておりますので、内面を気に入っていただけたようで嬉しいです。自分のペースで、ではありますが頑張ります！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2021年8月12日 18時
