かつての北の魔女の祝福は ページ24
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特に目を瞑るでもなく掻っ攫った彼の唇から離れ
ふっ、と小さく呼吸すると、達成感に似た快感を感じる。
彼はと言うと、数百年の交流の中で
何千回、何万回目かのキスはもう驚くでも恥じらうでもなく
その目はほんの少し細められ、またかと呆れてるようにすら見える。
に、しても…戦闘の後流れるように中央の塔へ向かったせいで
少し乾いてしまったかと思っていたけれど…
特性の魔力入りのグロスは、まだ私の唇を輝かせているようだ。
その証拠に、彼の形のよい唇の上を少し斜めに横断した
同様の形をした赤い線は私が彼の唇を奪ったのだと主張するように
…まるで騎士の勲章のようにグロスがキラキラと照明に照らされている。
彼の表情は差し置き「それ」を見てニンマリと笑みを浮かべる。
私の表情で何かを察したのかブラッドリーは下唇を撫でるように
親指で口門徒を拭い取り始め、はみ出た赤が口の端で伸び、掠れている。
所作だけで言えば色気もあって好感を持てるのだが
それに続いて赤をすべて掻き消すように拭い始めるから最低。
『キスしていきなり拭い始めるなんて、失礼ね…』
「こんな堂々と口元真っ赤にしてられるわけねェだろうが」
『ちょっと！そんじょそこらの女のキスじゃない。
この私のキスならその辺のやっすい勲章より高尚な栄誉なのよ！』
「お前それを自信持って言ってくるからやべぇよな」
『はぁ？』
「うわぁ…Aちゃんやっぱりぶっ飛んでるなぁ」
「それが通じるの古株の魔法使いの間だけだからね〜？」
双子から余計な茶々を入れられながら至極当たり前のことを言った。
ついでに、今のキスでブラッドリーに魔力を分けてないかと
囚人にひと暴れする余力は分けていないかと釘を刺された。
んな面倒臭いことしたらアンタたちと喧嘩しなきゃいけなくなるからしないわよ。
古株と言っておきながら意味の通じる自分らは爺で良いわよね？
と言いたくなる気持ちを理性的に抑え込むが、不服は解消されない。
だって！まず、自惚れではなく自信をもって
私は世界でも片手のうちに収まる魔女だ
そして、キス魔だなんだと言われがちだが
人を選ばないわけでなく、抽象的ながらちゃんと人を選んでいる。
だから一昔前にキスした相手は大半が
リップの色や性質を変えるやり方に因んで
「彩の魔女の祝福」だなんだと喜ばれていたのに…。貴重なのよ？
なのにここに居る北の魔法使いと言えば
北出身の中でも、割かし図太く生き延びてきた連中と言うのもあり
互いに存在の認知、交流始めがかなり昔のことで
よく言えば慣れ親しんだともいうし、逆に、慣れゆえにぞんざいとも言える。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 雪女さん» コメントありがとうございます。その辺がお好きなのですね…今後の描写の参考にしてみます！ (2022年12月19日 20時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます。シャイロックとオーエン、双子との絡みが楽しみです🙂 (2022年12月18日 22時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - Senaさん» 長らくそのままにしていたコチラの作品に反応頂きありがとうございます、コメントがあるとやる気が出るので嬉しいです…！2章が良すぎて出戻り夢小説ですがちまちま更新するのでお待ちいただけますと幸いです！！ (2022年5月19日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
Sena(プロフ) - わ、わ、久しぶりの更新ありがとうございます！ (2022年5月19日 6時) (レス) id: 61121e16fc (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - �盒兇気�» 感想コメントありがとうございます！こちらのババア(見た目詐欺)夢主は自由人として書いておりますので、内面を気に入っていただけたようで嬉しいです。自分のペースで、ではありますが頑張ります！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2021年8月12日 18時
