【刀剣乱舞】気が付いたら、刀になっていた２【成り代わり】 (ページ5)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:16,897 hit

32話葵side ページ5

手合わせに使われている道場の片隅＿＿

鯰「はあぁっっ!」
骨「＿…ふっ！」
僕ことにっかり青江は、脇差方に刀剣男士に戻るためのリハビリ的なことを受けている。

鯰「隙ありっっ」
葵「っっ!」
いくら刀の記憶がないからって、彼らも容赦はしない。１対２で僕は粟田口兄弟に全力で叩き込まれる。

葵「せいっ!」
鯰「うっ…⁉」
骨「…堀川と物吉!入れ！」
堀「えっ…はい!」
物「分かりましたっ！」
しかも人数も増やされて１対4。刀らしいスパルタ訓練だなー。戦場ではこれが当たり前なのか…。

心の中で絶叫しつつ、さっき教わった殺陣を繰り出す。
鯰「うぐぁっっ⁉」
骨「きょうだ…ぅあっっ…⁉」
堀「鯰尾さん、骨喰さん⁉」
物「う…ごめんなさい、降参します…」

…何かの間違いなのか、何故か僕が有利だったようだ。
鯰「にっかりさん完全勝利S…です」
物「やっぱり青江さんには敵いません！この中で一番練度差がありますし…」
葵「練度…？」
堀「青江さんは、本丸に三番目に来た最初の脇差なんです。初期刀の兄弟と薬研くんに続いて練度が高いんですよ」
葵「ん…？えっと、それよりも、2人とも大丈夫？」

練度云々よりも、さっき腹に一撃をお見舞いしてうずくまっている鯰尾と、そのあとに同じように吹っ飛ばした骨喰が心配だ。
鯰「ううぅぅ～…っ＿＿＿＿大丈夫ですよ‼」
本当に？
骨「…」
え、なんか申し訳ない。ごめんて。

堀「主が修行許可をみとめるのも納得ですね。…僕らと、青江さんが修行に行けば、練度の隙間がどんどん空いてしまいますね」
物「そうですね…でも、僕らだってすぐ追いついて見せましょう！待っててくださいね青江さん！すぐ追いつくので震えて眠ってください！←」
なんですと。

どうやら、前三日月に言われた『体が覚えている』は、こういうことらしい。
にっかり青江が鍛え上げた動きは、確かに一度通すとしっくりくる。体のどこかに、あの存在があるかのようで＿＿。
それに、この頃自分が刀であることに対する違和感が軽くなっていた。良いことなのか悪いことなのか。
暫しの休憩で木刀の木目をじっと辿っていると、無駄にごつい声が僕の名を呼んだ。

「オーイ青江ェ、俺と手合わせしろ」

＿＿そこには、やけに黒い服を着た柄の悪そうな刀がいた。