119.常夏の国 ページ48
you side
「暑い……」
思わず言葉が漏れるほど、その日のスオルは暑かった。
つい二週間前まで極寒の雪の国にいたのに、今は一年中暑い常夏の国にいるのだから、それは当然と言えば当然なのだが、それにしたって暑い。季節は冬なのに。
朝夕は長袖が必要になるかも、というくらいで、日中は暑い。とにかく暑い。ゾムさんも、半袖のパーカーを着ていた。
それでも、カンカン照りという訳でもなく、木陰に入れば涼しいのだから、不思議なものだ。
そんな常夏の国に、私がいる理由。
それは、雪の国で起きた例の事件の追及をするためだ。
しかし、表立って抗議するのは、私の役目ではなく、外交官のオスマンさんの仕事。
では、私は何のためにここにいるのかというと。
もしも戦争に発展しそうになったとき、力を借りられる人たちを見つけるためである。
この国を支配している海軍が、長年頭を悩ませている問題が、海賊の存在だ。
海賊とは、海軍の法律を破り、自由を求めて海に出た人たちを指す言葉らしい。
そこで、その海賊たちに、物質的、資金的な援助をし、海軍と戦ってもらうということだ。
……力を借りると言えば聞こえはいいが、ようは代理戦争をしてもらおうというものである。
とにかく、強い海賊を味方につけたい。
そう考えていた私たちの元へ、ぴったりの噂が流れてきたのだ。
ここ、スオルの港に、常夏の国で最強の戦力を持つと言われる海賊団が停泊しているのだという。
もちろん噂だから、信憑性があるとは言い切れないが、逆に言えば、噂になるほどの一団ということだ。
ぜひ会って、この話を持ちかけたい、と、私たちは息巻いているのである。
この説得は、私とゾムさん、シャオロンさんがすることになった。
ゾムさんは、雪の国で襲われた私が常夏の国に行くことに最後まで抵抗を示していたが、あれは不意討ちだったし、そもそも、今や幹部個人の戦闘能力として、私はゾムさんを上回っている。
らっだぁさんに攻撃魔法のコツも教わったし、無声詠唱の練習も始めた。
ということで何とか彼を説得して、しぶしぶながらも了承をもらった。
その代わりと言ってはあれだが、ゾムさんとシャオロンさんを護衛としてつけられることになった。
護衛はコネシマさん一人のオスマンさんよりも厳戒体制だった。
グルッペンさんに「過保護だな」と笑われた。
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ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» 全然気にせず、自分の好きなよーに書いちゃっても大丈夫ではないでしょうか？俺はどんな展開でも楽しみですよ^ ^レス失礼しました。 (2019年7月19日 22時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - ぽいぽいさん» コメントありがとうございます！実は恋愛系を書くのは苦手で、自分で自分の首を締めたことを少し後悔していたり……笑 (2019年7月19日 18時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 初コメいただきます。お話に甘酸っぱさが出てきましたね^ ^国と国との関係も、人と人との関係も、これからの発展が楽しみです。更新無理せず頑張ってください。 (2019年7月18日 21時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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